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プロローグ 00

       秋桜 空です。

 いきなりですが俺は今、死にかけています!今から入れる保険ってあるんですかね?なぜ、ここまで余裕でいるかと言うと⋯もう体の感覚が麻痺してるいるからです!

「⋯って何考えてるんだろう、俺。あの子⋯めちゃくちゃ可愛いかったな⋯。生きてるかな?もう一度会いたいな。俺はここで死ぬのか⋯⋯。」


1日前…

 ピピピ!ピピピ!

 目覚まし時計の音で目が覚める。


「あぁ⋯今日って月曜か⋯学校面倒くせぇな⋯。」


 と思いつつも学校に行かなければならない。

準備をしている間に自己紹介をしよう。

 秋桜 空 17歳 一人暮らしの高校2年生。彼女いない歴=年齢の悲しい青年だ。別に告白されたことくらいあるぞ!?しかし、俺はB専ではない!⋯っと自己紹介はここまでにしよう。学校に行く時間だ。


 学校に着くと友達の高崎が話しかけてくる。友達くらいいるからな!?


「よう、空!今日は少し早いな。何かいいことでもあったか?」


 ニヤけながら話しかけてくる。うざい。


「別に何もねぇよ。お前こそ元気だな?どうせ自慢しに来たんだろ?」


 大抵、高崎がからかってくる時は自分に良いことがあった時くらいだ


「実はな⋯⋯昨日デートしたんだ!」


「⋯⋯はぁ!?で、デート!?そもそもお前、彼女いなかっただろ!ついに気が狂ったか?」


 高崎とは彼女がいない同志で仲良くなったのに⋯あいつ⋯許せねぇ!


「狂ってねぇよ!まぁ⋯とにかく!良いこと教えてやるから放課後空けとけよ?またな!」


 高崎のせいで今日はなかなか授業に集中できないまま終わってしまった。そして、少しだけ⋯本当に少しだけ楽しみにしていた放課後がやってきた!


「空、今から待ち合わせ場所に行くけど何時まで遊べる?」


「俺は別に補導されるまでいけるけど?」


「そういやお前は一人暮らしだったな。いいな⋯羨ましいぜ。とにかく一日中遊べるってことだろ?いい思いさせてやるから喜べ!」


「⋯⋯危ないことじゃないよな?」


 高崎は一度詐欺にあって酷い目に遭ったことがある。それからはとても慎重だったので今の状況が凄く心配だ。


「安心しろ。デートした相手は姉ちゃんの友達の妹だし、これからお前に会わせる人も俺の知り合いだから大丈夫だ。」


 そういや高崎には姉が居たな⋯しかし姉の友達の妹?わけがわからん。馬鹿にしているのか?


「姉の友達の妹?夢でも見てるのか?」


「酷いな!たまたまデートした女の子が姉の友達の妹だったってだけだよ。そんな偶然が起きるわけないって思ったよな?つまり運命ってことだよ!」


「そんな偶然が現実でも起こるとは…現実も捨てたもんじゃないな⋯」


 ああだこうだ言っている内に高崎が言っていた待ち合わせ場所についた。そこには既に可愛らしいJKが二人居た。


「あっ!高崎君!遅いよー、まったくもう!」


「ごめん!ごめん!今日は奢ってやるから機嫌直してよ〜愛莉。」


 ⋯⋯見るからにバカップルだ。高崎じゃなかったらぶん殴ってるとこだった。


「紹介するよ。こっちが俺の彼女、愛莉。で、こっちが俺の友達の空。あの子が愛莉の友達?」


「え!あなたも空っていうのね!凄い!運命かしら?私の友達も天っていうの!ね?天ちゃん!」


「えっと⋯初めまして。空さん。白雲 天って言います。よろしくお願いします⋯。」


 なんだこの子⋯とてつもなく可愛い。性癖どストライク。名前まで一緒って⋯運命だ。そう、運命だ!俺の心は狂喜乱舞していた。


「初めまして!秋桜 空って言います。天さんって呼んでもいいかな?よろしくね!」


「⋯はい。大丈夫です。よろしくお願いします。秋桜さん。」


 来た⋯俺にもチャンスが!これはある!オール・オア・ナッシングだ!




ビー!ビー!ビー!ビー!

 突然、携帯の警報が鳴る。音的に緊急地震速報だ。いや、音ではなく揺れでわかった。これはまずい。


「全員逃げるぞ!ここは危険だ!近くに俺たちの学校があるそこまで⋯」

 ドシン!

「キャーーー」

 いきなり打ち上げるような大きな揺れが来た。その衝撃で立っていられる人はいないだろう。全員、揺れが収まるまで伏せている。


「今だ!今のうちに避難するぞ!」

 揺れが収まったので避難を始める。高崎は愛莉さんを、俺は天さんを庇いながら移動する。

 しかし、周りが見えていなかった。こっち方に倒れてくる電柱を見て、俺は天さんを突き飛ばすことしかできなかった。


「⋯⋯っ!秋桜さん!」


 俺は頭を守る時間もなく、電柱に当たってしまった。



⋯⋯⋯⋯痛い⋯。気絶していたようだ。周りを見渡そうとするが体が動かない。おそらく瓦礫の下に埋もれたようだ。悲鳴すら聞こえない。


「⋯⋯くそっ⋯痛⋯くない⋯?なんだ?」

 体が痛みを感じなくなってきた。おそらく死ぬのだろう。


「俺⋯死ぬのか?こんなところで?まだ、天さんのこと全然知らないのに⋯⋯」


 そういや高崎達はどうなったのだろう?全員、この瓦礫の下で寝ているとかやめてくれよ?ちゃんと避難できてるといいが…


「⋯⋯そろそろ意識が薄れてきたな⋯これで終わりか⋯⋯なんか⋯なんとも思わねぇな。」


 死ぬ時って普通は泣いたり、喚いたりするもんじゃないのか?俺って今世にあまり興味がなかったんだな⋯なんだか悲しくなってきた⋯

「せめて童貞くらい卒業したかったな⋯」








⋯⋯⋯⋯⋯おかしいな。まだ意識がある。なんならハッキリとしてきた。目を開けるのが怖いな⋯


「 ⋯⋯!⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯!」


 なんだ?なんて?何が聞こえた?救助隊か?ハッキリ聞こえないな⋯


「ア⋯⋯!⋯れが⋯⋯⋯弟⋯!」

 はぁ?弟?なんて言っているんだ?


「パ⋯!私⋯弟⋯名⋯⋯な⋯⋯言う⋯?」


 だんだん聞こえるようになってきたが…ロリとイケオジの声?どうなってんだ?


「⋯なた、⋯前はもう決め⋯でしょ?」


 さらにお姉さん!?


「オギャー!オギャー!」


 ⋯⋯え?喋ろうとしたが⋯今のは俺の声なのか?まさか⋯そんな⋯


「この子の名は⋯⋯イロアス・エレフセリアだ!」


 い、異世界転生かよ!!

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