あまりにもおばかさん 2
今日も辛いお話です……(:_;)
中二、中三と同じクラスだった佳乃とはとても仲良しで……「絶対!一緒の高校へ行こうね!!」って言い合ってた。
でもそれには私の方が“難あり”で……成績優秀でクラス委員、人望もある佳乃に対し、私の取り柄と言えば……運動部に所属していないのに運動会ではどのコにも負けない“脳筋ちゃん”だったくらい!……佳乃と同じ西高を受験するには内申とか足りないものだらけだった。
でもどうしても佳乃と別れたくなかった私は一念発起して夏休みから猛勉を始めた。
そんな私にいい塾を紹介してくれて、塾の無い日はそれこそ付きっ切りで勉強に付き合ってくれた佳乃のおかげで、私は西高に合格できた。
合格発表の掲示板の下では佳乃と手を取り合って喜んだのに!!……
次の日、先生から佳乃は西高には入学せず、併願した私立の有名女子高へ行くと聞かされた。
その手続きの為に今日は休んでいるのだと……
昼の間ずっと既読スルーだった佳乃からLI●Nが来たのは夕方になってからで、私達は駅の近くの公園で待ち合わせた。
最初は二人してベンチに腰掛けたのだけど、佳乃はすぐに私の前で泣いて土下座した。
「頑張っている咲来にはどうしても言えなかったの!!」と……
でも私にはそれが!!
ただ“裏切りの言い逃れ”としか思えなかった。
だからいじけた!
「絶交だ!!」って言った。
泣きながら家に戻って来た私にびっくりしたお母さんに事の次第を話したら
「佳乃ちゃんにもきっと事情があるのよ……」と言ってくれたけど、私の涙は止まらなかった。
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今、私は高2になったばかり!
西高してからの1年間は充実していた。
クラスでは目立たなくしていたつもりだったけど6月の体育祭でバズってからはムードメーカー的な立ち位置になり、友達もゴッソリ増えた。
部活に選んだ放送部では素敵な先輩に巡り合えたし、学校生活の合間にバイトまでできた。
これも考えてみれば、色んな事を佳乃から吸収できたからだと思う。
そう!みんな佳乃のおかげだ!
また裏切られるのが怖くて、親友と呼べる人は作れないのも……
そんなある日、バイトから帰って来るといきなりお母さんから怒られた。
「アンタ!!佳乃ちゃんの事、どうして着拒にしてたの??!!」
「だって!!」と言い掛ける私は母が涙を流しているのに初めて気が付いた。
「佳乃ちゃん!亡くなったって!!」
私はその言葉に……ただ呆然とするだけだった。
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棺の窓は開けられる状態でない事は、すぐ耳に入って来た。
佳乃の通っている高校からは先生と生徒が一人ずつしか来ていなくて……その理由もじわじわと分かって来た。
私はもうそれだけで!!悲しみや怒りや後悔が体中に渦巻いていたけど……
佳乃のお母さんの
「こんな事になるなら……あの子の望み通り、咲来ちゃんと同じ高校へ行かせてやれば良かった!!」
との言葉に私は爆発した。
ワンワンと泣く声を……お母さんに抱き抱えられても止められなかった。
私も!! 女子校の奴らも!!
みんなクソだ!!!
みんなして佳乃を追い込んでしまった!!!
でも!!それでも!!!
佳乃!!
アンタはあまりにもおばかさんだよぉ!!!!
こう叫ぶ代わりに……
私は閉ざされた棺の中の佳乃に向かって
ただ泣きじゃくるしかなかった。
このお話は「あまりにもおばかさん」 https://ncode.syosetu.com/n3749ir/ とリンクしています。
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