七十九
「ア、アリーズ……だ、だだ大丈夫?」
今にも泣きそうなヴァーゴ──顔の上半分は前髪で見えないけど、そんな雰囲気を感じ取った──は吃りながらアリーズを心配する。
そしてヴァーゴの発言から他の皆もハッと意識を取り戻した (?)らしく、それぞれがバラバラと話し始める。
「あぁ……自分ら十二星座の頭脳が壊れてしまった……」
サジタリアスは絶望に頭を抱える。真面目だものね、サジタリアスは。
「アリーズ以外でワタシ達の代の頭脳派を新たに選出するのはとても大変よ? それはどうする?」
スコーピオは対策を考え始めた。この中では随分冷静な方だな。頼れる姉御って感じ?
「ねぇ、誰だったら頭脳派の位置に置けると思う? ぼくはカプリコーンとか良いと思う!」
ジェミニは可愛らしくスコーピオにそう提案する。まぁ、頭は良さそうだけど……
「ジェミニ、あなたは馬鹿なのかしら。あの面白いこと大好きな笑い上戸に任せるなんて不安しかないわ。あたくしはサジタリアスに頑張って貰うのがマシだと思うの。」
アクエリアスはジェミニの提案にダメ出しを入れた。カプリコーンが笑い上戸……うん、分かる気がする。あとマシは可哀想だよ、サジタリアスが。
「え、アクエリアス……俺のことそんな風に思ってたなんて……俺悲し……ブフッ」
カプリコーンは大袈裟に傷つきましたと言わんばかりに身振り手振り……出来てないね、うん。最後笑ってるもの。
「ほら見なさい。」
「あ、うん、ごめんなさいアクエリアス。ぼくが間違ってた。」
結構真面目に謝るジェミニ。先程の笑い上戸云々よりも今の真面目な謝罪の方がカプリコーンにとっては心を抉られていそうだ。カプリコーンがカタカタと震えているのがここからでも見える。
「お腹、空きましたね……」
「お、パイシーズは空腹か! 俺様もだ!」
「小生らはあまりにも知識が偏りすぎていますからね。この話題にはなかなか入りづらいと言いますか……」
「そうだな! 俺様は火薬、パイシーズは魔法……と。」
驚いた。おっとりパイシーズと五月蝿いレオは真反対の性格だろうと思っていたから、ここまで話が合うとは、と。




