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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
十二星座編
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リーブラ(てんびん)

 こんにちは。僕はリーブラ(てんびん)です。武器は死神のような大きな鎌。それをブンブン振り回します!


 ええと、そう、僕は今スコーピオ(さそり)さんと一緒に西の街に来ています。


「リブちゃん、見つかるかしら?」


 スコーピオさんはとても不安そうです。でもそれは僕も同じこと。ぎゅっと自分のコートを掴んで不安をやり過ごします。


「そうですねぇ……。でもきっと見つかると思いますよ。今の僕達のことを見てほっとけない人が。」


 僕達今代の十二星座は、ポラリス不在時間が前例のない程長いのです。先代など魔法学園が出来てからの代は学園内を探してちょろっとポラリスを見つけたし、魔法学園が出来る前の代はちょっと出掛けた先で見つかったり、いつかのポラリスは十二星座と幼馴染だったこともあったようです。


 それなのに、今代のポラリスは……


「どこにいるんでしょうね。僕達の拠り所は。」


 今代の皆が皆不安に駆られているのです。拠り所が見つからなかったら、と。ポラリスという存在は十二星座から見ると安定剤でもあるのです。


「この街をくまなく探せって言ったけど、どうすればいいのかしら?」

「うーん、やっぱり聞き込みですかね?」

「そうねぇ……あ、第一街人発見よ! リブちゃん、行きましょ!」

「はーい!」


 スコーピオさんが先に走り、僕はそれについて行きます。ああそうです、僕達外では名前を呼ばないようにしているんですよ。リーブラ、なんて外で呼んだ瞬間十二星座だとバレてしまいますから。それは防がねばなりません。


 目の色だってわざわざ変えているのですから、バレない方向で行きたいものです。


「ねぇねぇお兄さん方、ここら辺で魔法使える人、知らない?」

「うーん、知らないかな……。」


「魔法を使える人って本当に一握りだし、辺境の地とはいえ学園に通わせないといけないし、そうなるとこの街狭いから情報はすぐ広まるはずだし。だからいないと思うよ。」

「そうだよね。すぐ見つかるはずは無いよねぇ……」


「……お兄さん方、情報ありがとうございました。」

「いえいえ! 俺達も目の保養ありがとうございますっ!」

「それね! こちらこそありがとうございました!」


 お兄さん方は楽しげに僕達にお礼を言ってくれました。僕達は何もしていないというのに。


 僕は思わず首を傾げてしまいました。

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