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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
一章

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78/125

六十五

 次の日。しっかりぐっすり眠った私は元気になった! これが所謂若い、とかいうやつか。しみじみとそれを堪能する。


「マロン。今日は勉強をアリーズに、魔法をパイシーズに教えてもらえ。」

「うへぇぇ……」


 朝食後にサジタリアスから告げられた言葉に、思わず声を漏らしてしまう。


 パイシーズはきっと優しいだろうから心配はない。が、アリーズかぁ……。気が進まないけど教えて貰う側なのだから私は文句も言えないよね。仕方ない。腹をくくろう。


「ちょっとマロン、その嫌そうな呻き声は我輩に向けたものじゃあないよね?」

「ひっ! そ、そそそんなことないじゃないですかぁー!」


 アリーズの満面の笑みは本当怖いんだってば! なんとか頑張って誤魔化したけど、多分バレてるよなー。アリーズはニコーッとより一層笑みを深めたし。


 色んな思いが綯い交ぜになり、私の背中は冷や汗でグッチョリ濡れた気がした。


「へぇ、そう。じゃあ宿題を当初の予定よりも三倍出してあげようかな。」


 言われたことを実際想像してサァッと顔が青ざめたのが自分でも分かった。いやこれ、今日を乗り越えられるだろうか。途轍もなく不安である。







 さてさて、パイシーズに魔法の扱い方を教わる時間になった。どんな授業になるかワクワクしながらパイシーズの言葉に耳を傾ける。


「さてマロンさん。小生は水と風属性魔法を操ることが出来ます。ですのでマロンさんには風属性の扱い方を覚えていただきます。」

「はーい」


 あー、私は水属性だけ適性がないからなぁー。適性があったらもっと色々と出来ることは多かったのだろうかー。


 ……例えば皆が探し求めている『ポラリス候補』とか。


 そこまで考えてフッと視線を下げる。


 まあ、無い物ねだりしても意味がないからね、今あるものを伸ばしていこう。うん。今浮かびかけた考えを振り払うように頭を振る。よし。これで大丈夫。


「マロンさんは風魔法を無意識的に使用していたようですので、コツは掴んでいらっしゃると思います。」

「まあ、なんとなくは。」

「それの精度を今日は上げていきます。」

「はいっ! よろしくお願いします、パイシーズ先生!」


 私の返事が良かったのか、ふわっと笑ったパイシーズ。やっぱり美術品みたいに綺麗だなー、だなんて考えながらも魔法の練習に頑張って集中する。

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