五十一
「はいぃ……」
私でしたよ、ええ。いやでもそうでしょ。サジタリアスのあの眼光には負けるって。あの目力できっと人が殺せる。うん。
「アクエリアスにはお前が言えよ。」
「え、何が?」
「今から使う治癒薬はアクエリアス特製のもの。それを使ったとなれば使った理由をアクエリアスから聞かれる。」
「へぇ……」
そんな話をしながら、どこから取り出したのか分からないがいつの間にかサジタリアスの手に小瓶が握られていた。へぇ、これがアクエリアス特製の治癒薬……見た感じだけではあまり凄さは感じられないな。まあ、私が素人だから、なんだろうけど。
「アクエリアスは十二星座でも珍しい、薬の精製に特化した者だ。そのアクエリアスが作った治癒薬だから効果は保証する。」
「ほえー……」
サジタリアスは血の溜まった私の手をぐいと掴み、その小瓶の中身をかける。するとすぐ痛みも全く無くなり、傷も綺麗に消えていた。わお、想像以上の効果だ。
「さて、傷も消えたことだ。何故こうなったかを吐け。」
「え? えーとー……?」
「怪我をしたのは何故だ。自分にも分かるように話せ。」
先程と同様の眼力で睨まれる。これには勝てないよなぁ〜……
「あの剣の切れ味を確かめたかったから、かな?」
「……」
そう正直に答えると、私の頭を片手でガシッと鷲掴みしたサジタリアス。そのまま指に力を入れたらしい。
「あだだだだっ……!」
とても痛い! サジタリアスに頭割られるっ! 少ない脳みそが縮んじゃうっ! ってか無言怖いっ!
「そうか、マロンはど阿保だったのか。」
「なんでぇっ!? ……あだだだだっ!」
何故私は頭を鷲掴みされて、更に罵倒されなきゃいけないの!? 踏んだり蹴ったりじゃん!
「あのー……お二人さん? 何してんの?」
「ああ、アリーズか。かくかくしかじかでマロンがド阿保だったからな。」
「へぇ……」
「アリーズヘルプミー! ……あだだだだっ」
サジタリアス、なんでアリーズと話している間も私の頭を鷲掴みしてるの!? 痛い痛い痛い痛い痛い!
「あー、なんとなく理解した。ほら、マロンおいで。」
「おお神よ!」
なんとか頑張ってサジタリアスの手から抜け出し、満面の笑みを浮かべるアリーズの方へと逃げる。すると……
バチンッ
「いでっ」
満面の笑みを浮かべるアリーズにデコピンされた。なんでぇっ!
「自分のことは大切にしなさいね。」
「ひぃっ!?」
アリーズの満面の笑みは怖いということを私は理解した! 私は一つ賢くなった! テレレッテー!




