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四十四　サジタリアス

　かくかくしかじか。アクエリアスから眼帯を貰い、付け方を教えてもらったマロンはそれを左目に付ける。

　その後フッと右目を開けるマロン。ああ、マロンの目は深海のように深い青色なのか。その目に引き込まれそうな錯覚に自分は落ちる。

「ひょえっ！？」

　目を開けたマロンは自分らを始めて目で認識したらしく、何故か自分とアクエリアスを見て変な声を上げる。なんだなんだ？

　マロンの行動を理解出来ず、自分の眉間に皺が寄ったのが自分自身でもよく分かった。

「どうした、マロン。」

「め、目が……キラキラで目が潰されそう……」

「は？」

「あー、成る程ね。」

　アクエリアスは苦笑いする。マロンの行動の意味が分かったのだろうか。

「顔面の暴力だ……」

「マロン、意味分からないこと言うな。ちゃんと分かりやすい言葉で話せ。」

「この部屋もキラキラだし広いし、サジタリアス？　とアクエリアス？　もキラキラで目が痛い。」

「ふふん、マロンも分かってるじゃない。」

　キラキラだと言われたアクエリアスの気分が上がったらしい。いつもより笑顔だ。いつもはツンと澄ましてそっぽ向いているからな。これは上機嫌なのだろう。

「でもマロン。あたくし達二人でそれなら、十二人揃ったらどんな反応するのかしら？　楽しみね。」

「え……」

「あたくし達の代……四十三代目の十二星座は美形揃いだって噂があちこちで広がっている程よ。だから、ね？」

　ふむ、そのことでマロンはここまで慌てていたのか。自分は容姿などどうでもいいから気にしたことなかったのだが。

「ひょえー……これがあと十人も……」

　あわあわと怯え始めるマロン。そのままの状態が続くとこちらとしてもやりにくい。ならばどうするか……

「マロン、慣れろ。」

　まあ、これしかないだろうな。