十 パイシーズ
皆さんおはようございます。あれから一夜明け、小生らは宿を後にしようと準備を進めております。
小生は荷物を然程持ってきていなかったのでそれはすぐ終わり、あとはアクエリアスとマロンさんの様子を見に行く程度でしょうか。朝食は船で食べれば良いと思いますので、問題は無いでしょう。
さて、そう言っているうちにそろそろ宿を出る時間になりました。今出れば余裕で待ち合わせ時間には間に合いますが、ゆっくり歩きたいですから。
小生は部屋を出て、まずはアクエリアスの元へ一度行っておきます。小生は扉をノックし、中にいるアクエリアスに話しかけます。
「アクエリアス、おはようございます。小生です。準備の方は如何程でしょうか。」
「おはよう! あともう少しかかるから貴方は先にマロンの方を見に行って頂戴!」
「分かりました。そうします。」
「悪いわね。」
「いいえ。」
まあ、予想通りの展開ですので小生は驚きもしません。女性の支度には時間がかかるとは聞いたことがあったような無かったような気がしますので。
では気を取り直しましょう。しかしマロンさんは起きているでしょうか。そこだけが気がかりです。
何せ知り合ってまだ一日も経っていないのですから、寝起きの悪さももちろん知りません。どうなっているか予測も立てられないのでハラハラです。
「マロンさん、起きていらっしゃいますか?」
「うん。」
「そろそろ宿を出ますが、準備の方は如何程ですか?」
「それならもう出れる。どうせ私は手ぶらだし。」
と言いながら部屋から出てきたマロンさん。サジタリアスの服を着ていますが、鍛えているサジタリアスとは違ってひょろひょろしているマロンさん。やはり少しブカブカしているようでした。ただ、袖の長さは丁度いいようで良かったです。
「そうでしたか。おはようございます。」
「おはよ。」
「アク……ゴホン、リアスが準備に手間取っているようでしたので、先にマロンさんを呼びに来たのですが……」
「そっか。リアス、そろそろ準備出来たかな?」
「どうでしょうか。……リアス、準備は出来ましたか?」
マロンさんとアクエリアスの部屋は隣同士故に、この声は多分アクエリアスにも聞こえているのでしょう。バタバタと音がした後、ガチャリと扉が開いたと共にアクエリアスが出てきました。
「遅れてわ、わ、悪かったわ! さあ、行きましょう!」
その声をきっかけに、三人で船着場へ向かうことにしました。




