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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
一章
17/124

「ということで、マロンさんは小生らについてきていただきたいのです。」

「あー……うん。分かった。そういうことなら。」


 どうせ行くあても無いし、人生に目標も目的も無いし、流れに身を任せてもいいか。


「じゃあ明日、夜が明けたらすぐ王都へ戻りましょ。」

「あ、あの、それならちょっとひとつだけ頼みがあるんだけど……聞いてもらえる?」

「ええ、別に良いわよ。」

「あのー、私の服を新たに見繕ってもらえないかなって。この格好って不審者っぽいじゃん? お金は……出世払いとかって出来る?」


 黒のハイネックに黒のズボン、黒いブーツという私の姿。街を歩くのには向かないだろう。というか変に浮きそう。だからこそのお願いだ。パチンと手を合わせて二人(がいるだろう方向)を拝む。


「そうですね……今はもう夜遅くてどこのお店も閉まっていますし、朝一でここを出たいので開店時間まで待てないと言いますか……どうしましょう?」


 シーズはうんうん唸って考えを捻り出そうと頑張ってくれた。


「あら、よく見たらマロン、あなたジーと似た背格好でなくて?」

「成る程、その手がありましたね。では今から小生がジーとリコに話をしてきます。」


 なんか二人くらい新しい人物が出てきた気がする。二人の知り合いなのかな? それよりそんな少ない言葉数で通じるなんて、この二人、相当仲良いな?


 などなど私が新たな二人の想像をしている間にシーズはタタタッと部屋を出て行った。この部屋にはリアスと私の二人になる。


 無言の空間が出来上がった。正直ちょっと沈黙が怖かったとはリアスには言えないけど、うん、居心地は悪かった。私の目が見えていないせいもあるだろうけど。





「この部屋に可能性のある子がいるっていうのかい? それは実に楽しみだ!」


 見知らぬ人の声が遠くから聞こえてきた。コツコツとこちらに向かってくる足音と気配三人分。ふむ、シーズとジー? とリコ? って人の気配かな?


 と、予想を立てているとガチャリと扉が開く音が聞こえてきた。


「ジー、リコ、やっと来たわね。」

「やあ、リアス。で、そちらの方がもしかしたらの?」

「そうよ。今のところ風の魔法を使っているのはあたくしとシーズが見たわ。」

「そうか。ではまずあなたのお名前を教えてはいただけないだろうか。ああ、俺はリコだよ。よろしく。」


 新たな人、リコは私の手を取った。背が低いのか、私よりも低い位置から声が聞こえてきた。


「私はマロン。」

「ああ、素敵な響きだ。」


 ……今、どういう状況だ?

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