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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
十二星座編
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アクエリアス(みずがめ)

 あたくしはアクエリアスを襲名した者。戦闘はからっきし駄目で、薬を作っているわ。治癒薬や睡眠薬に始まり、毒まで作る。それらの精度が高いからって十二星座に選ばれたの。戦闘ばかりの脳筋だけではやりくり出来ないってことでしょうけど。


 まあ、そんなわけであたくしはポラリスを探しながら並行して薬を作っていたの。皆で集まった時にそれぞれが使った薬の補填もしなければならないからね。作業を並行して作らないと間に合わないのよ。


「パイシーズ、治癒薬に必要な草が無くなりそうだから一緒に森に入ってくれないかしら? まあ、無理そうならあたくし一人でもいいけど。」

「もちろん良いですよ。薬草摘み、小生も手伝います。」


 パイシーズはそう言ってふわりと笑う。彼は滅多に否と言わない。本当はもっとポラリスを探したいだろうに。それなのに、あたくしに合わせてくれる。


 日中はポラリス探しをして、夜中に薬作りをするべきかしら……


「アクエリアスはポラリス探しと並行して薬を作らなければなりませんから、探すのは一日置きでも小生は構いませんよ。」

「……ごめんなさいね。あたくしと一緒のペアになってしまったが故に。」

「構いません。小生はゆっくり出来て良いと思いますよ。」

「……あ、ありがとう。」

「では今から森に向かいましょう。」

「ええ。」


 否を言わないパイシーズの本音をいつかは聞いてみたい所だわ。そう考えながら二人で森へと向かった。




「アクエリアス、どうしましょう。迷いました。」

「そうね。どうしましょう。」


 薬草摘みに夢中になりすぎて、森の奥の奥まで来てしまっていたらしい。更にどうしようと慌てている間に日も暮れてしまった。鬱蒼とした森の中で明かり無しはキツい。


 ええと、確か明かりはあたくしが持っていたはず。それを鞄から取り出してポッと明かりをつけると、パイシーズの顔がぼんやり見える程度になった。


「と、とにかく歩き回ってみます?」


 そうあたくしが提案した時、ガサリと草が音を鳴らした。

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