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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
二章
115/124

十二・二

 息が整うまでゴロンと寝そべっていた。そんな緩んだ空気が一瞬にして張り詰めたものに変わる。あ、いつものアレが来る。私の直感がそう告げたのを理解した時、目の端にキラリと光る物体が私の頭目掛けて飛んできた。


 既の所でそれを躱し、飛んできた方向を凝視する。あいつは、アリーズは今日、どこから銃弾を飛ばしてきた?



 いつからそう決まったとかは無いのだが、アリーズの姿を見つける所までが鍛錬とのことで、アリーズがいる場所まで向かわないと終われないのだ。


 最初の頃は銃弾を弾くまでで終わっていたのだが、最近は趣向を変えたらしい。気配察知の練習だからとどこかに潜むようになった。


 くっ、昨日より気配が希薄で、パッと見で判断は付けられない。この私が、だ。


 風魔法でここら一帯の人の気配を探るが、アリーズらしき気配を感じ取れない。相当息を潜めているな、ともう少し風魔法の精度を上げる。


 この鍛錬場を中心に、半径百メートル。主に銃弾が飛んできた方向に向けて。しかしそれらしき反応は無かった。


 ……もしかして昨日よりも遠い場所にいるのか? そう推測し、風魔法を半径二百メートルにまで広げる。するとほんの微量の反応が。おいおい、昨日より遠い所にいたんかい。そりゃあパッとは気が付かないわけだ。


 というか、よくそんな所からピンポイントで銃弾飛ばしてこれるな。逆に感心すらしてしまう。


 あとはその場所まで行けばその日の鍛錬は終わり。疲れて動けない体に鞭打って歩き出す。


「お、ようやっとアリーズさん見つけましたか?」


 リーブラはニコニコ笑ってそう聞いてきた。前回十二星座が集合した際にこういう鍛錬をしていると伝えていたから、銃弾が飛んできてもリーブラは驚かなかった。というかその言い方だと、私が感知する前に分かっていたのかな?


「……リーブラはいつからアリーズに気が付いていたの?」


「鍛錬が始まった辺りですね。ほら、最初にマロンさんが火魔法で目眩しした時!」


「おおっとぉ!? そんな前からいたの!?」


「はい。多分元々そこで仕事をしていたのでしょう。それまで普通の気配だったのが、一気に潜められましたから、ずっとスコープ越しにこちらの様子を窺っていたのでしょう。」


「ええっ!?」


 なんか負けた気がする。何にと言われても分からないけれども。


 次からは鍛錬が始まった辺りからアリーズの気配を探ってみるのも良いかもしれない。そしてアリーズの鼻を明かしてやろう。よし、明日の楽しみができた。


「くふふっ、よし、今からアリーズのところに行ってくるよ!」


「行ってらっしゃ〜い」


 リーブラは相変わらず天使な笑みを浮かべて送り出してくれた。

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