表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
××の十二星座  作者: 君影 ルナ
十二星座編
11/124

カプリコーン(やぎ)

「すみません、ここら辺で魔法を扱える人を知りませんか?」


 俺は爽やかスマイルで街人のお姉様方二人に聞き込みを始める。笑顔は振り撒いてナンボだからね。


「おいらは知らんねぇ。おめさん知らねぇか?」

「おらほも知らんな。こごは島国っつぅもんもあるからな、情報はすぐ回るはずだっぺよ。」

「んだなはん。」


 ……やはり収穫は無しか。心の中でだけ落胆する。もちろん、表情筋は笑顔を作り続けたままで。


「そうでしたか。お姉様方、情報ありがとうございます。」

「あらぁ~お姉様だどよ。」

「嬉しいこと言ってくれんねぇ。そんな綺麗なお兄さんにはこれあげる。」

「え?」

「探しもの、見つかるおまじないしてあげっからな。」


 そう言って渡されたのは一つの林檎。赤々ツヤツヤしていてとても美味しそうだ。


「……ありがとうございます。」


 お姉様方のその気持ちが嬉しくて、先程よりも自然な笑みが零れたような気がした。


「いいのいいの。」

「これサーダさん家で採れた林檎らしいけど、うんめぇから食え食え。」

「……じゃあ、一緒に探しものをしに来た友人と共に食べさせていただきますね。」

「そりゃあ良いなぁ。」

「綺麗なお兄さんのお友達ってんだから、そのお友達も綺麗な人なんだろうねぇ。」

「ふふ、そうですね。あいつは仏頂面だけど、根は良いやつですよ。」

「根は良いとはなんだ。」


 俺の隣に音もなく立ったのはサジタリアス。噂をすればなんとやら。まあ、気配で近付いてきたのが分かっていたから俺は驚かないけど。


「あ、ジー来たんだ。珍しいね。」

「ふん、何か不穏な空気を感じたまで。」

「あいやー、おめはんも綺麗な顔だなぁ!」

「……。」


 お姉様方はサジタリアスの顔を見てポッと頬を染める。まあ、睨まなければサジタリアスも顔は良いからね。サジタリアスはそんな反応をされるのが嫌らしく、また眉間に皺が寄る。


 それを見て俺は思わず声を出して笑ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ