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××の十二星座  作者: 君影 ルナ
二章
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六・二

 ルルズさん改めルッツ君とはそりゃあもうとても気が合った。そしてあの授業の後に友達というやつになったのだ……!


 あまりの感動に、その日帰ってからアリーズとサジタリアスに自慢したくらいドキドキワクワクした。


 それを聞いたアリーズからは良かったね、と笑って頭を撫でられ──何故に?──、サジタリアスは満足げに頷いた。


 明日も良い日になれば、と願いながら眠ったのが良かったのか、今までとは比べられない程ぐっすり眠れたのは余談だ。








 さて次の日、今度は剣術の授業が始まる。一〜四、五〜七組に分かれての授業らしく、友達のルッツ君は三組のクラスだからこの授業は被らない。


 またぼっちか、と少し落胆しながらも授業場所、格闘技場へと向かうことにした。


 男子の必修らしいこれはどれ程の厳しさなのか。周りの反応を見ると、楽しそうにしている人、怠そうな人、さまざまだった。ちなみに、私は勿論前者だ。


 ある程度十二星座の皆から扱かれた私の実力を測るには最適な授業だろうからね。


 と、ドキドキワクワクしているうちに授業の時間になった。


「初めまして、だな! 俺はグレイス・ビヤーノだ! お前達に剣術を教えることになった! と言ってもそれは名称を分かりやすくしただけだからな、それぞれが得意な得物で戦い方を学んでくれ! よろしくな!」


 なんだろう、この先生、リオに似た元気さだよなあ。まあ、でもこの人は流石にリオみたいに爆弾をぶっ放したりはしないだろうけど……剣投げたりはしないよね? だなんて要らぬ心配をしてしまう程言動が似通っていた。


 そして剣術とは名ばかりだと最初に暴露していたが、己の武器でって……戦い方は人それぞれだからってことなのかな? 話を聞くだけでは良く分からなかった。


「さて、今日は初授業ということで、皆の実力を知りたいからな! 実戦的な模擬戦を行う! クジで対戦相手を決めるからな!」


 ふむ、確かに教える為にも生徒達の実力を知る必要があるもんね。納得納得。


「自分の武器があるものはそれを使って良い! 持ってきていない者は貸し出しもしているからな! 安心してくれ!」


 あ、だから剣やら何やらを手に持っている人がちらほらいたのか。そんな話、聞いてなかったな。まあ、私はいつも身につけているようなものだからね、心配はない。


 と、いつものように双剣をどこからともなく取り出すと、それを見ていたらしい何人かが発狂した。そんな、お化けを見たみたいに怖がらなくても……。


「そ、それって……十二星座にならないと使い方を教えてもらえないっていう収納術じゃん!?」


「はぁ!? ってことはこの平民……あぁ! 分かった! お父様が言っていた十二星座様に纏わりつくちんちくりんってお前のことなのか!?」


 その声を皮切りに、ザワザワと広がる疑いの目。私も皆とは違う意味で内心ザワザワしていた。


 ええ、十二星座の誰もそんなこと教えてくれなかったじゃん……。っていうかここに来てから一番に教えてくれたじゃん。


 自分の常識の無さが仇になった瞬間だった──いや、ずっと常識なかっただろう、という声は聞かなかったことにする──。


 これからは自分で常識というものを身につける必要があるな、と脳内にあるこれからの『やることリスト』にそれを記載するのだった。

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