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専属メイド

というわけで連続投稿はここまで。明日から毎日16時に投稿になりますのでよろしくお願いします!

ロゼッタが魔獣に攫われた事件から一日が経った朝。リスは陽の光で目が覚める。


「んん…?」


「おはよう御座います、リス様」


カーテンを開けたのはオレガノだった。


「あ、昨日の使用人さん。おはよう、今日は貴女が当番なんだね」


ロゼッタと違いリスには専属メイドがいない。朝の支度なども全てその日の当番に当たったメイドが行う。


「そのことですが…いえ、とりあえず朝の支度が先ですね。洗顔水とタオルです、どうぞ」


「ありがとう!…ふぁー、さっぱりした」


「さあ、お召し替えを致しましょう」


「お願いします!」


さくさくと朝の支度を整えるオレガノ。リスは、仕事のできる使用人さんだなと感心する。


「本日はこちらの緑のドレスなどいかがでしょうか?大人なデザインがリス様に良く似合うかと」


「んー…じゃあそれにしようかな」


「はい、失礼致します」


オレガノにドレスを着せてもらうリス。その後、ドレッサーの前に座らせられ髪を梳いてもらう。


「リス様の御髪は綺麗ですね」


「そう?」


「はい。櫛通りがとても良いです」


「ありがとう、嬉しいな。使用人さんも綺麗な髪だね」


「ありがとうございます。光栄です」


髪を梳いた後は、食事を運ぶ…はずなのだが、その前にオレガノはリスに土下座する。


「リス様…本当に申し訳ありませんでした!」


「え、使用人さん、急にどうしたの?」


リスは突然のことに目を白黒させる。


「私はリス様のことを何も知らずに、勝手に勘違いして誤解しておりました!今まで失礼な態度もとりました!本当に申し訳ございません!いかなる処分も覚悟しております!けれどもし許していただけるなら、どうかリス様のお役に立ちたいのです!専属メイドとして側に置いてください!」


「え?ああ…そっか。仕方ないよー、誤解されるような態度をとった私が悪いよ。処分なんてしないから安心して?」


ね?と微笑みかけるリスに、オレガノはほっとした。しかし次の言葉に凍りつく。


「でも、専属メイドになるのはお勧めしないな。だって私、この家の嫌われ者だもの」


「リス様…」


「味方が増えるのは嬉しいし、それだけで充分。気持ちは嬉しいよ、ありがとう。でも、専属メイドになんかなったら使用人さんが何を言われるかわからないし。ね?」


オレガノは、リスが心ない仕打ちに傷ついているのだと知った。そして、それに自分を巻き込まないようにしようと気遣ってくれているのだと気付いた。だからオレガノは言った。


「いいえ、リス様の専属メイドになります。もう執事長からも許可を得ています」


「え!?」


そう、オレガノはリスに許可を得る前に執事長に話を通していた。よってこの人事はもはやリスには覆せない。


執事長はオレガノを止めたが、オレガノは頑なに専属メイドになりたいと言い募った。最終的には執事長が折れたのだ。


しかしそんなことはリスは知らない。まさか、と口を開く。


「もしかしてなにかの罰ゲーム!?虐められてたりする!?大丈夫!?」


的外れなことをいいながら自分を心底心配するリスに、オレガノは笑った。


「そんなリス様だからこそお仕えしたいのです。どうか、私を使ってください」


リスは目を見張る。何故かは知らないが彼女が本気で自分の専属メイドになりたいのだと伝わったのだ。


「本当にいいの?えっと、名前は?」


「オレガノと申します。私は本気です」


「…オレガノさん、これからよろしくね」


オレガノに手を差し伸べるリス。オレガノは土下座をやめてその手をとる。


「じゃあ、早速専属メイドのオレガノさんには朝食を持ってきてもらおうかな!」


「はい、お任せください!」


こうしていつもより少し明るい朝を過ごす二人であった。

ここまで楽しんでいただけたなら幸いです!これからもよろしくお願いします!

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