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06 交渉


 隠し事は無しにして欲しいと真剣な眼差しのリリシアさんに、謝罪しながら全てを開示。


 俺は今何も『盗賊』していないこと。


 勇者候補たちが持っていた固有スキルは正直欲しいものだらけだったが、『盗賊』された相手が一時的にでもそれを使えなくなることを考えると手を出すわけにはいかなかった。


 能力が盗むでは無くコピーだったら、今頃俺はやりたい放題だったろう。


 俺の告白には満足そうにうなずいていたリリシアさんの表情が、マユリさんの告白を聞いていくうちに徐々に曇っていく。



 マユリさんが現在、固有スキルで使用可能な魔法は五種。


 左手小指の『上級回復』は病気と死亡以外のあらゆる症状を癒す。

 欠損、状態異常、呪いに至るまで、とにかく病気と死亡以外なら何でも治せるそうだ。


 左手薬指の『行動阻害』は対象の相手を完全に行動不能にするもの。

 どうやら時間制御系の能力らしくて呼吸や心臓が止まるけど特に問題ないそうだ。

 ただし効果が及ぶのは生き物に限るらしい。

 ゴーレムみたいな無機物系には効くのだろうか。


 左手中指と左手人差し指はセットで『転送』の能力。

 それぞれの指に登録しておいた場所を自由に行き来できるのだそうだ。

 身体が接触していれば複数人数でも同時に移動可能だが、服の上からでは駄目で直接肌が触れる必要があるのが悩みの種とのこと。

 なぜ悩むのか最初分からなかったが、リリシアさんの呆れたようなまなざしで気付かされた。


 左手親指の『隠蔽』は任意の大きさの結界を作る能力。

 球状の結界内にあるものの気配を消すと同時に魔物よけの効果もあり、小さいほど効果が高いそうだ。

 なるほど野営向きの魔法だとは思う。



 こうして見ると見事に攻撃魔法が無い。


 マユリさんらしいと言えばそうだが、リリシアさんが心配するのももっともだとも思う。


 もしかしてリリシアさんにも何か秘めたる能力が、と聞いてみた。



「私は一介の騎士に過ぎないが、鍛え上げてきたこの身体と家宝の鎧とで必ずや貴君らを守り抜くことを誓う」


 と誇らしげ。



 確かに頑丈そうな鎧だが、まずはその堅い言葉遣いを何とかして欲しいと思う。


 結局リリシアさんが折れる形となり、徒歩の旅に必要な物資を買うことに。



 リリシアさんの案内で商店街を散策。


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