表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/38

30 依頼


 お出かけ前にニエルさんから魔導具を渡された。


 魔導通信機という手書き文字のラベルが貼ってあるそれは、邸内にある親機と遠隔地での会話を可能とする子機。


 つまりは無線機で、お昼や夕飯に来れなさそうなら連絡くださいね、ってどんなオーバーテクノロジーだよコレ。


 それを普通に使いこなすニエルさん、本当に何者。



「王都でもこんな物は見たことも聞いたことも無いぞ」 リリシアさんが言うからには、間違いなく場違いなシロモノ。


「みんなが持ち歩くと便利ですよね」 マユリさんスマホ感覚ですけど、もう少し危機管理お願い。


「あまり他の人に見られて良い物ではないことは確かだな」 さすがリリシアさん、危機管理の鬼。



「屋敷のこと、もっとちゃんと調べたほうが良さそうですね」


「さすがリーダー、頼りにしているぞ」


 調子に乗りやすい男なので、もう少しお手柔らかに。



 ギルドまでの道のり。


 天気もメンツも昨日と同じだが、俺の心中大荒れ注意報だよ。


 一見上機嫌のふたりだが、俺は知っている。


 この娘ら、何か企んでる。


 か弱い俺に何かさせる気まんまんだ。


 願わくば、ぼっちの心が砕け折れるようなイベントじゃありませんように。



 ギルド到着。


 昨日と違って人がちらほら、話しかけてくるような勇者がいなかったのがありがたい。


 この場合の勇者とは美女ふたり入りパーティーにちょっかい出してくる勇気のある者という意味で、王都でうろうろしている俺の元同僚たちではない。



 掲示板をチェックすると、定番であろう薬草採取を発見。


「これなんかどうでしょう」 とリリシア先生の顔色をうかがう。


「よかろう、初クエストだな」 先生、嬉しそうですね。


「他のもいっちゃう?」 マユリさん、初日から飛ばしますね。


「まずは採取依頼の段取りに慣れるのがよかろう」 先生、惚れそう。


「受け付けしてきます」 と、お姉さんのところへ。



 受け付けで依頼書にサインして、ペンを受け取る際に触れ合う指先、もしかしてイベント発生ですか。


「お気をつけて」 はいイベント終了、はえーよ。



 掲示板の脇にたくさんあったこの辺りの簡単な地図をもらう。


 よくある依頼の情報として、主要な薬草分布図とか要注意魔物出現位置とか。


 こういうのを無料配布してるって、ギルドって儲かってるんだろうな。


 そういえば全てのギルドって遠隔連絡魔導具で繋がっているんだっけ。


 実用化出来た唯一の遠隔連絡手段がギルドのみに配置って、我が家のアレはやっぱり極秘案件モノですかね。



 そんなこんなで採取依頼開始。



 とりあえずお昼はお外でって、早めにニエルさんに連絡しないとね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ