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第二章 楽しいひととき
「俺はここに来るのは初めてだけどね。4人いるのが珍しいって思うほど田舎に慣れてないんだよ。」
その手に握られていた鍵の札には、“御手洗一郎”とあった。
「えー...っと、“おてあらい”くん?」
「“みたらい”な。」
みたらい...ずいぶん難しい読み方をするもんだね。僕が無知すぎるのかは知らないけど。
「私は3回目かな。前にもこの近くに出張で来た事があって。今回も出張で。」
「壱月」の札がついた鍵を持っていたその女性が言った。
「とりあえず皆様、お昼にいたしましょうか。」
そういって妖精さんが料理を持ってきてくれた。
それらはとても美味しかった。特に、手作りという玉子豆腐が。
「そうなんですよ。私今年結婚しまして。」
料理に夢中になってたうちに3人はもう仲良くなっていた。壱月さんは今年結婚したそうで、その指には指輪が付いていた。
結婚...僕はまだ23だしなぁ...