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二日目-1

長ーい(当社比)! 説明不要!


うん、キリのいいところって難しい

朝、目覚ましが鳴る前に起きる。

セットされたアラームを解除し、私(僕)は鏡のついた洗面台に顔を洗いに行く。


「おはよう私(僕)」


ヒゲもなく、髪はサラサラ

まゆ毛は太くもなく細くもなく。

ボサボサのくせっ毛は男子っぽい

ぷっくりした唇は女子っぽい


どちらかというと女々しい自分の顔

自己評価は可もなく不可もなく

今日も曖昧なアイマイミー


「って遅刻するわ!」


実は目覚ましは1度鳴っていた。

二度寝用に適当にセットした時間に起きていたら確実に遅刻する。


朝ご飯も食べずに制服の上着を引っ掛けるように飛び出すと、学校に急いだ。










@@@











「転校早々遅刻とは弛んどるな?」


担任の先生に教室の入り口で冗談混じりに叱られると、クラスメイトから笑いが漏れる


どうやらこのクラスの担任は優しい先生のようだ。


「放課後、罰として掃除をするように」


鞭もしっかりくれる先生のようだ。


そんな先生の優しさ(?)のおかげで暖かく教室に迎え入れられた僕は、席につく。

昨日よりも体調は良くなっているが痛いものは痛い。


痛みに堪えられず机に突っ伏す。

やはり走ってきたのが不味かった。


「おいおい遅刻の次は居眠りかー? つまんないHRでも我慢して聞いてくれよー」


先生が明るく声をかけてくれるが、それどころではない。波が過ぎればなんとかなるのだけど。


「マジで体調悪いっぽいッス」


となりの席の生徒が先生に報告する。


「昨日も体調悪そうだったよね」

「大丈夫かなー」


クラスがざわつく


いけない。昨日バレたばかりだし、なんとか誤魔化さないと。

必死に笑顔をつくると、顔を上げてみんなに答える


「いやー、遅刻しそうだったから走って来たんだけど、座って気が抜けたら脇腹が攣っちゃって(笑) おい元橋! 触ろうとすんなよっ、まーじーでーいーたーいーかーらー」


となりの席の元橋もとはしとじゃれあうとクラスの雰囲気が戻る。


その後、つつがなくHR、授業と進んだ。










@@@











昼休み。


朝のHRでもじゃれあった隣の席の元橋が声をかけて来た。


「食堂行くなら案内するッスよ。昨日は保健室から帰って来ませんでしたからね」


昨日はあまり喋らなくて気づかなかったが、元橋(こいつ)は同級生相手でも敬語を使う。

クスッ 可愛い奴だ。


「トゥンク! なんすか今の笑顔! エロいッス!」

「口でトゥンクなんて言う奴がいるか。 あとエロいってなんだし、可愛いといえ(ふんぞり)」

「あははは、可愛いって言われたいなんて女子みたいッス。肌もスベスベツルツルッス」

「そーいうお前は頭もツルツルだな」

「野球部なんで! デフォルトッス」


面白い奴がいたもんだ。

これで気遣いもできるらしく、昨日は体調が悪そうな私にあえて話しかけなかったらしい。


雑談しながら食堂に案内してもらうと食券機の前に晶先輩がいた。


「あ、昨日はどうも先輩」

「...君は昨日の、どう体調は良くなった? 隣の君はクラスメイト?」

「は、はいッス!」


元橋もとい、みちすがら決めたあだ名の持ち主「ハッシー」が私に詰め寄る


「(ど、どういう事ッスかぁー! あの晶先輩と知り合いなんて)」

「(え、なに先輩って有名人?)」

「(なんの取り柄もなかったうちの高校を有名にしたプリンスッスよ! テレビ見ないんスか?)」

「(プリンスッス(笑) え、マジでモデルかなんかなの?)」

「(普段はプリンセスガードがいてまともに話せないことは有名ッス、中学の時からモデルをしていて、今ではドラマに映画に引っ張りダコで、この高校に入学した事がマジで謎ッス)」


ははぁ、まあレイコ先輩のためだろうなぁ。

いいなあモデルの彼氏(女子)


「よかったら一緒に食べるかい? 知らない仲でもないし、ついでに横の坊主くんも紹介してくれると...」

「おっそーい! おい晶、いつまで待たせる気だ。 おや、君は昨日の。 体調は大丈夫そうでなによりだが晶はやらんからな。 晶はワタシと二人で食べるんだ」

「出た! プリンセスガードッス」

「うん、わかってたけど本来の意味だと逆だよね。 どうもレイコ先輩」


席を確保していたらしいレイコ先輩が待ちきれずにやって来た。プリンセスガードの正体が予想通り過ぎる。


プリンセスガードと呼ばれる所以は、当初入学したばかりの晶先輩を目当てに寄ってきた女子を、一人残さず追い払ったかららしい。

なぜか晶先輩はレイコ先輩を大切にしている雰囲気もあり、黙っていれば見目麗しいレイコ先輩はいつしかプリンス(晶先輩)を守るプリンセス、プリンセスガードと呼ばれるようになったわけだ。


残念ながらプリンセスガードの鉄壁の防御により同席はできなかったが、遠目に幸せそうに昼食を食べる二人を確認出来た。

まあ学校の食堂だしね、個室とかないし。代わりに無理やり二人席みたいなのを作ってるけど。


「絵になるッスねぇ」

「こっちは野郎ばっかだけどな」


食堂は自然と男子の塊と女子の塊に分かれていた。

塊の真ん中あたりに四人席を占領した先輩達がいる。

批判するような生徒はおらず、見とれるか溜息をついている。

僕達が座っているのは八人席で向かいにハッシー、残りに別クラスの見知らぬ男子生徒が六人。むさい。


むさい昼食を終えた僕たちは教室にもどり、わずかに残った休み時間で、次の授業の準備をする。


明日は購買でパンでも買ってみるか。

チャイムの音とともに入ってきたボウズの先生を見ながらそう思った。


○流されやすい主人公

笑顔を褒められたら女子寄りに、周りがむさいと男子寄りになります。


悩んだ末に男子の制服にしたのは若干女の子っぽい見た目なのでバランス取りたかったのでしょう


作者の趣味でもあります。可愛いは正義

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