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夏の終わり

―ゲームセット!


0-7。今年もとある高校の野球部の夏が終わった。


「あーあ、俺らの時代もついに終わったべ」

「結局3年間公式戦一回も勝てなかったな」

「そもそも一点も取ってねーべ」

「何なら最後まで試合してないわな」

「「「「「「ワハハハハハハハハ」」」」」」

もう何年連続かわからない初戦コールド負け。彼らは高校野球人生で一回も公式戦勝利を得ることなく終えた。


「でも今年は惜しかったな、対戦相手が悪かった。だけど8回まではやれた。あと少しだった。」

その輪から少し離れた所で声がした。


「そう・・・だな。これもあいつらのおかげか。」

「あいつらが出れたらまた違うかったのになぁ・・・。」

「そもそもあいつらがここにいる時点でおかしいのは分かってるんだけどなぁ・・・」

「わかる」

「あいつらとやりたかったなぁ・・・」

その一言で場が一気に沈みだした。


「こればっかりは県の教委と高野連を恨むしかないですよね」

「「「お前が言うな」」」

しんみりとした空気に突っ込みを入れた下級生。この人こそが話題の「あいつら」の一人である。


「えへへ、すみません。けれどこの野球部があったからこそもう一回野球しようと思ったんですよ。本当にありがとうございます。秋から頑張ります。」

「調子の良いことばっかり言いやがって。」

「「「「ワハハハハハ」」」」

自虐ネタの時とは全く違う笑いがバスの中を包んだ。



―この時、当時の3年生はもちろん、監督、ましてや「あいつら」もあんな奇跡が起きるとは想像もしていなかった。

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