登校魔女
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九月一〇日月曜日。学園にきてから一週間が過ぎた。
前日に僕のスマホにチャットが届いた。『mutuki』というアカウントからだった。
『桐生です。明日学校にいきます』
という短い文章だったが、それがどれほど決意が必要なことだったかは想像に難くない。
桐生さんがきたのはその日の昼休みだった。短い髪の女の子が扉の前であたふたとしていたからすぐに気がついた。
遅刻とはいえ、久しぶりにきたクラスメイトに驚く輩がちらほらいた。井上さんなんかは特に心配していたらしい。
「桐生さん」
井上さんとも積もる話があるだろうが……ここは割りこませていただく。この時間にきたということは、学校で勉強しにきたわけじゃないのだろう。本題はきっと魔女の話だ。
「太刀川くん……この前はありがとう」
桐生さんがもじもじとしながら謝辞を述べる。相変わらずのメガネ姿だが、艶やかな雰囲気を纏っているように見えた。髪と瞳は遠目で見ると黒く見えるが、わずかに緑色が入っており、魔術式の影響が現れているようだった。
「早速だけど、弁当を持って屋上へいきましょう」
愛梨彩に促され、僕らはカバンを持って屋上へと向かう。話を聞くのはそこでだ。
屋上は相変わらず無人地帯だった。それもそのはずで、普段は生徒の立ち入りが禁止されている。しかし、禁止しているだけであり、施錠などは特にされていないようだった。
桐生さんは押し黙ったままだ。
「えっと……こっちの二人の紹介は必要ないよね。同じクラスの愛梨彩と緋色。そして、こっちが転校生のフィーラ・オーデンバリ」
「フィーラ・ユグド・オーデンバリ」
「はい、フィーラ・ユグド・オーデンバリさんです。ここにいる全員が魔女と関わりがある人間だ」
桐生さんがそれぞれの顔を確認するように見回した。フィーラはともかく、ほかの二人は以前からのクラスメイトだ。魔法をよく知る人間が身近にたくさんいたということに驚いたのかもしれない。
「僕たちは魔導教会と戦っている」
「魔導教会?」
「魔女優位の世界を作ろうとしている悪の結社よ。あなたはその組織の中の一人、サラサという魔女の魔術式を継承した。フェイスベールをした浅黒い肌の女……出会ったでしょう?」
フィーラの問いに、桐生さんが首を縦に振る。やはり……彼女がサラサの魔術式の後継者だった。
「太刀川くんが以前話していた通り、あなたが受け継いだ魔法は強力なものなの。死者を操る死霊魔法。大局をひっくり返せるほどの力よ」
「あなたが魔女だと知られれば、つけ狙われる可能性があるのだわ。もともとサラサの力は魔導教会のものだし。だからそうなる前に私たちはあなたを保護しようと考えた」
「つまり悪いことを企んでいる魔女たちに桐生を渡さないようにしようってわけだな」
魔女二人の言葉を緋色がまとめる。そのおかげもあってか、桐生さんは納得したように頷いた。
と、ここまでが僕ら側の話すべき内容だ。
「今度は桐生さんの話を聞かせて欲しい。どうして……君が魔女の力を受け継ぐことになったのかを」
そしてここからは話を聞く番。どうして彼女はサラサの魔術式を継承したのか。なぜ友田を殺したのか。
僕たちは彼女を見極めなくてはならない。
「私……私が魔女の力を継承したのは……」
頑なに閉ざされていた唇。それが今、開かれようとしていた。
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