救出作戦
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「どうしてこんなところにいるのかしら?」
一人で高石教会に乗りこんだその時、背後から愛梨彩の声が聞こえた。
三時間が経過してもブルームが帰ってくる気配は……なかった。だから大急ぎで高石教会にきたのだが、どうやら彼女には筒抜けだったらしい。俺の後を追ってきたのだろう。
「理由は一つしかないだろ。ブルームを助けにいく。やっぱり罠だったんだ」
いても立ってもいられなかった。今こうしている間にもブルームは苦戦しているかもしれないのだ。焦る気持ちのせいで鼓動が早鐘を打つ。
「待って」
「いくな、って言いたいのか? 悪いけど、止めてもいくから」
「そうじゃないわ。その……私もいく。彼女は私たちの仲間だから」
愛梨彩は顔を逸らしながらそう言った。
「愛梨彩……」
「それに……疑った詫びもできないまま死なれては困るしね」
本当は愛梨彩自身も認めていたんだ。ブルームは一緒に戦ってきた仲間だって。けど、本人の前では照れ臭かったらしい。本当に素直じゃないな、この人は。
「二人がいくなら私も同行するのだわ」
「友達と仲間を放っておけるかよ」
「フィーラ……緋色も」
まるでタイミングを見計らったかのようにフィーラと緋色がやってくる。どうやら想いはみんな一緒のようだ。
「じゃあ、みんなで迎えにいこう。俺たちの仲間を!」
三人の返事が一斉にこだまする。まるで僕たちの絆の強さを表すかのように。
意を決して四人で教会の入り口へと向かう。しかし……簡単に通す気はないらしい。
「門番はやっぱりあなたたちなのね」
愛梨彩の視線の先にはアインと咲久来がいた。教会内に入れさせないと言わんばかりに敢然と立ちはだかっている。
「貴様たちを通すわけにはいかない。それが私の任務だ」
相手はすでに戦闘態勢に入っている。いつ攻撃されてもおかしくはない。
だが、ここで二人の相手をしているわけにはいかない。俺たちの目的はブルームとともに帰ることなんだから。
「いって、アリサ、レイ。ここは私とヒイロが戦うのだわ」
「おう。俺たちに任せろ。そのためにきたようなもんだしな」
無言で二人の顔を見やる。その眼差しはしっかりと相手を見据えていて、戦う覚悟が決まっていた。
「そう簡単に通すわけ——」
「いって! 早く!」
立ち塞がろうとする咲久来を牽制するように雷光が走る。
「いくわよ、太刀川くん。私たちは目的を果たしましょう」
そう言って愛梨彩が先をいく。その姿は俺よりも張り切っているように見えた。
「全員で生きて帰るんだからな。負けるなよ、二人とも」
「ふん、誰に言ってるのかしら?」
「だな。俺は勝ちに代わるヒーローだぜ?」
今は二人の自信家が頼もしく感じる。俺は二人を信じてその場を後にする。
*interlude*
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