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ゼロの魔女騎士《ウィッチナイト》  作者: 鴨志田千紘
第2章 魔女は己が欲《エゴ》のために踊る
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攻略へ向けて

初めてこの作品を読む方へ

騙されたと思って第6部まで読んでください。あなたを物語に惹きこみます。


 客間にいるのはいつもと同じ三人だ。相変わらずブルームは姿を現さない。ハワードはフィーラがいることに気づいているようだが、呼び立てることはなかった。


「今回も石の情報かしら?」


 ソファに座るなりすぐに愛梨彩が話を切り出した。


「いえ、今回は違うのです」

「教会の連中の情報か?」


 ハワードが無言で頷く。その目はいつになく真剣に見えた。


「現在、サラサとアインは別の場所を守っているようです。サラサは泉教会を、アインは城戸教会を守っています」

「待って。教会側は防衛が目的だろ? わざわざ戦力を分散するのは悪手なんじゃ……」

「そうでもないわ。一つの所に戦力を集中させれば、『そこに賢者の石がある』と言っているようなものだもの。自ずと野良の魔女はそこに集まってくる。そうなれば野良の魔女たちは共闘せざるを得なくなるでしょ? 高石の時のようにね」


 言われてみればそうだ。しもべという物量の優位が教会側にあるとはいえ、野良の魔女全員を相手にするのは骨が折れるだろう。それに愛梨彩、ブルーム、フィーラ以外にもまだ野良の魔女が現れるかもしれない。野良対教会という二陣営にわかれる構図になるのは避けたいはずだ。


「野良の魔女は徒党を組まないと教会は判断したようです」

「でしょうね。別の場所に配置して各個撃破するという算段なんでしょう」

「ですからチャンスなのです! 愛梨彩様とフィーラ様が組んで奇襲すればどちらか一人は倒せるでしょう。今すぐ同盟を締結すべきです!」

「それは……」


 愛梨彩が口ごもった。彼女としてはハワードの意見に賛成なのだろう。だが、肝心のフィーラが揺らいでいる。同盟を組むという決断には至っていない。休戦と共闘は別問題だ。


「フィーラにもこのことは伝えます。ただ、スレイヴが万全でない彼女を戦力としては数えないわ」

「九条様……!」

「けどね——」


 愛梨彩がふっと微笑んだ。それはまるでなにかを楽しみにしている顔だった。


「私は信じてるの。彼女が完全復活して戻ってくることを。肩を並べて戦えるその日を。今の私には待つことしかできない。違う?」


 彼女が僕に目配せをする。


「そうだね。信じて待とう」


 愛梨彩は友達と殺し合わない道を選んだ。それはフィーラにも伝わっているはずだ。なら、僕たちにできるのは信じて待つことだけだ。あの優しくて気高い魔女が再起するその瞬間を。


「そういうことだから、ハワード。これじゃダメかしら?」


 ハワードは口を手で覆いながら悩んでいる。彼の言うことは最もだが、僕らには僕らのやり方がある。


「……わかりました。ただし猶予は一週間です。それ以降だと不確定要素が入ってくる恐れがありますから」

「わかったわ。その間に泉教会を襲撃するわ」

「では私はこれで失礼します」


 用件が済むと、ハワードは部屋を後にする。その後ろ姿は心なしか忙しなく見えた。


「泉教会ということはサラサを倒すの?」


 二人きりになった客間で愛梨彩に尋ねる。


「ええ。生きている動物をスレイヴとして作り変えるアインと違って、彼女のしもべはレイスだから。術者を倒さないと延々と死霊が生み出されるわ。なら早めに攻略した方がいいでしょう?」

「だね」

「百合音という追加戦力がいるのは厄介だけど……次の戦い、倒す勢いでいくわよ」

「ああ! もちろんだ!」


 今度の戦いで争奪戦のゆく末が決まるかもしれないんだ。ここで気合いを入れないわけにはいかない。

 そして、信じてその時を待つんだ。友達が戻ってくる、その時を。


続きはカクヨム(https://kakuyomu.jp/works/1177354054887291624)の方で先行して掲載されております。

興味のある方は是非そちらでも読んでみてください。

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