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『私』のふりがお上手ね?(300字SS)
無機質で無愛想な、アンドロイド系アイドル。
そんなキャラ付けで、仕事はひっきりなし。
ただ今日のトーク相手は、その仮面が剥がれるかと想った。
だって……私そっくりの、機械仕掛けの人形だったから。
驚くけれど、番組の流れにまかせ、そっくりな私と会話をこなす。
歪な鏡のような、重なりきらない会話を、必死に。
――そして番組が終了し、帰ろうとした時。
(……え?)
身体が、動かない。
まるで、動く力を、切られてしまったかのように。
代わりに、無言で立ち上がる、私の似姿。
……そんなはず、ない。
だって、私が、人形のふりをした人間で……。
「……ふふ」
小さく、『私』は笑った。
――まるで、人形を、あざ笑うかのように。




