93話、メイドインウェルホルム4
「そうですか...」
「お前はまだ手加減をしている...」
屋根裏から女の...子?の声が聞こえてくる。
「そうですよね」
「あぁ、出会ってすぐに精神支配をすれば良い...それで何回か死にかけているだろう?」
「まぁ...それよりもあなたは?」
私は聞く。
「心を読めば良いだけの話...」
残念ながら、精神読み取りは相手の姿が視認できないと発動しない、そのかわり視認すれば常時発動する。
「1つだけヒントといえば、すでに会っていると言うところ...」
「成る程...でもなぜ最初の一言目は頭の中に?」
「それは...その方が雰囲気出るだろ?」
「な、成る程」
『雰囲気を大事にする系不審者って所かな?』
「それじゃあ、」
そう女が言うと部屋の中に煙が充満してくる。
「こ、これは...あの時と同じ...」
『〈精神支配〉!自分に、眠らないで!』
しかしそれでも耐えるのは数秒、また眠ると思いきや...
ピロンッ!
【〈精神防御〉が自動発動します】
【防御中...防御中...防御中...成功しました】
【これにて自動発動モードを終了します】
♦︎♢♦︎♢
暗くなった宿屋の中を場違いな子供が独り言を言いながら楽しそうに扉を開ける。
「ふっふっふーん♪さてさて〜?様子は...って!」
『さてさて〜精神毒を巻いたから眠るか、精神が崩壊してるか、記憶を失うか、してる筈...って!なんで、気絶すらしてない?!』
「君か、" ソレイユ "」
「うん!そう!本当はここで殺すかしておきたかったんだけどね〜」
ものすごいまるで太陽のような笑顔で言う。
『何故私を殺しに来た?』
「うーん、なぜ?って顔してるね、」
『こんな風にカマをかければ...』
目の前の謎の人物は首を傾げながら可愛らしく聞いてくるのだが、今までの発言から可愛らしさは薄れて来ている。
「していないぞ?」
そう堂々と答える。
「ふーん、そうなのかーでも一応言っておくね」
『しまったー相手は心が読めるんだったー』
『明らかに棒読みだ、』
完全に謎の人物は楽しんでいる顔をしていた。
〜次回予告〜
「 94話、メイドインウェルホルム5 」
明日の12時に投稿するかも
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