91話、メイドインウェルホルム2
今日は短めです。
「うーん、宿屋とは言っても何処にするの?」
『やっぱり安いところかな?』
「適当、近くにあったやつで良い」
「そこがどんなに高くても?」
「うん、」
「...はーい」
『武器とか買いたいな...鉱山街だし良い武器が...』
「そう言えば、この街に暗殺ギルドとかあるの?」
「あ、それ気になりますぅよね?」
『まぁ、残念ながらあるのですが...』
するとものすごく屈強な男の人がこちらに向かって物凄い形相で歩いて来るのが見える。
『な、なにあのドワーフ、めっちゃ怖い』
『お、親方...』
「嬢ちゃんたちがこのバカを連れ戻してくれたのか?」
「えぇ、まぁそんな感じですね」
「そうか、それはありがとう礼を言うぜ」
めっちゃイケメンな顔で言って来る。
それを、
「なら良かったです♪」
めっちゃ笑顔で返してやる。
「っ!じゃ、じゃあ!俺はこのバカを連れて火事場に戻るからな、あ!後、武器とかを買うなら俺のルメーヌ武器屋を、ご贔屓にな!」
『ふふっ、狼狽えてる面白い』
『ご主人...いつもの様子を見てるこっちとしては、気持ち悪いです』
『ご主人様、可愛い』
『魚屋さんは...』
「ソレイユ!走り回ったら迷子になっちゃうよ!」
「わーい!」
ダダダッ!
『ノアール...後で覚えてろよ?』
ビクッ!
『な、なんか寒気が...って、あ...やっちゃったご主人は心が読めるんだった...』
♦︎♢♦︎♢
「ご主人様!あの宿でどうです?」
「それでいい」
アリスが疑問の声を上げる。
「...ご主人様適当に言ってませんか?」
「うん、言ってる」
「はぁ...まぁ、あそこは安いし大丈夫でしょう」
コトン、コトン、
宿屋〔野郎の溜まり場〕に向けて歩く。
「い、いや〜あの名前だと我が主人達が入りにくいのでは...」
『今までは厨二病を表に出さなかったけど最近はオープンだな...』
「まぁ、能力で圧勝しちゃえばいいんじゃないの?」
「やはりそれで良いのか...」
「あ、流石に別室にしてね?」
『恥ずかしいし...それに』
ノアールが言う。
「もちろん」
そう言って、宿屋の戸を開けた。
〜次回予告〜
「 92話、メイドインウェルホルム3 」
明日のお昼に投稿するかもしれない。