89話、風通しが良いねこれ
...スプ○トゥーン2が面白すぎるのがいけないんだ!そうだそうに違いない、てかそうで合ってくださいお願いします何でもしますから!
「ではこちらですぅ」
ドワーフの少年は自分の背後を指差しながら言う。
「お、おぅ、」
「まぁ、乗ってよ」
ノアールが勧める。
「...分かりました」
ゴトン、
少年が馬車に乗り、
「あっちですぅね」
少し右のほうを指し、言う。
「それじゃあ、そろそろ夕方ですし急いで行きましょうか」
パチンッ!
アルトが鞭を振る。
『以外にできるものですね〜』
ガラガラ、ガラガラ、
馬車が進む。
「それで...何で君はここに?」
「あ...えーっと...逃げて来たんですぅ」
『い、言うの恥ずかしいな...』
「...何から?」
『もしこれで人間とかだったら仲間にできるかな?』
「恥ずかしながら親方に...」
『あぁ...言ってしまった...もうこの話をしないでほしいなぁ』
「そうか...まぁ、いいや!って...この道であってるのかい?なんか道が険しくなって来たんだけど...」
『なんだ...つまんないの、なんか崖に向かって走っている感じがするんだよな』
「ご主人、なんか嫌な予感がします」
『これは全員同じ意見だよね?』
「ご主人様、私もなんか落ちそう」
「MUSYA、MUSYA」
『ノルはまだ食ってんのか』
「あ...」
『そう言えば...いつもの感覚で近道の方に進んでた、こっち崖だ』
「マジかよ、」
「えっ?」
『今思ったことに反応した?』
「き、気のせいじゃないかな?」
「そうですぅか」
『ん?今の会話おかしくなかった?』
ガラガラ...ガゴンッ!
大きな段差を降りて馬車が揺れる。
「「「「「「?!」」」」」」
バギッ!
その衝撃で馬車の車輪が折れる。
「...止まった」
「そうね」
ざっ、ざっ、ざっ、
「よっ!流石兄貴!こんな街に近いとこでもこんな事しちゃう!それに兄貴の投げナイフの命中率は最強っすね」
『見つかる気しかしねーし、しかもあの人たち早々強い...これは逃げよ』
「はっはっはっ、俺の能力は爆発する魔力でできた針を投げる能力だ、爆発されたくなければ荷物を置いて行きな!」
『上玉の女が結構いるな...奴隷にしてやって...ぐふふ』
『ワーオ...』
「ご主人、こんな雑魚は無視しましょう」
「そうだね」
馬車から私とノアールが降りて目を合わせながら言う。
「またか...またお前らも俺を雑魚呼ばわりか!!〈爆発仕込針〉!」
手をグーの形にしてそう叫び、その手を振り私たちの方向に向いた時に手を開く。
パラパラ〜
まるで粉のような針が大量に向かって来る。
「ノアール、頼む」
このたった一言で相手は終わる。
「了解」
『〈方向転換〉、180°』
跳ね返る。
『このままだとあいつが死んで俺も殺される...なら、逃げる!手首にあるロケットワイヤーを起動させて...』
パシュ!
ロケットワイヤーが木の枝に巻きつく。
バァァァーン!!
この時点で頭?は死ぬ。
『これを収納!』
シュルシュル!
その男は簡単に木に登り、木の枝をジャンプして移動して高速で去って行った。
頭?が爆発で吹っ飛び坂を転がって降りていく。
バァーン!
「なっ!」
いきなり馬車の屋根が爆発する。
恐らくノアールが一部跳ね返せてなかった針が馬車の屋根に当たったのだろう。
「うわっ!」
「MU...っ!さかな!」
『うま〜...なっ!爆発?!魚が飛んでいく!』
「きゃぁ!」
幸いにも爆発範囲が狭く、屋根に当たったのでほとんどダメージは受けなかったが馬車がほぼ木の板になった。
「...風通しがいいねこれ」
そう言ったアルトの声は少し小さかった。
〜次回予告〜
「 90話、メイドインウェルホルム1 」
明日に投稿するかも知れない。