72話、日常の様な非日常7
「えーっと、ってここもあの時と同じ石畳の色が違う所があるだけか...」
ルナの家から出て少し歩いたところにある路地裏に一枚だけほんのり色が違う石畳がある。
「確かここに乗って右側のスイッチを押して...」
アイコトバヲドウゾ、
「えーっと...クソまずい毒入りのカクテルを」
.......
「やはり嫌いなあいつに」
ドウゾ、
ガチャ、
「良かった、これで合ってた」
ワイワイ、ガヤガヤ、
「お、嬢ちゃん、仕事頑張れよ?新人か?」
「えーっと...どちらかというと初心者ですかね?」
「お、そうかー尾行はされてないよな?」
「大丈夫です、そういう系統の能力ですから」
『まぁ、違うけど』
「そうかーそれは仕事がはかどるな!」
『まじかー俺も気配探知系の能力が欲しいな〜』
「それにしても...広いですね...」
「あぁ、そう言えば嬢ちゃんはエユテフで聞いたのか?」
『なんせ、合言葉がエユテフ仕様だったしな』
「えぇ、そうですが?」
「あそこはな?狭すぎるんだ、行ったことがある嬢ちゃんならわかるだろ?」
「あーなるほど、確かにそうですね...」
「ははっ、だから広く感じるんだろうが、これが普通サイズだから慣れといたほうがいいぜ、あっちなみに依頼はあそこな」
おっさんが指をさした場所にはまるで冒険者ギルドにあるクエストボードの様な感じの見た目だったが、貼ってある場所がコルクボードと、随分とお洒落である。
「えーっと...これなんか良いね」
プツッ、
「これ...受けられます?」
「えぇ...なかなかの成績のご様子ですし大丈夫でしょう、しかしながら...難しいと思われますのでお気をつけてください、成功を祈っております」
スタスタ...
「お、嬢ちゃん、成功を祈っているぜ?」
「あ、はい、分かりました」
「ちなみに...」
おっさんが指を出口にさしながら言う。
「あそこから出ると、門の150m先のちょうど門番から死角になっているところにテレポートする仕組みなんだぜ?作ったやつは天才だな」
「それでは行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ヒュッン、
「行っちまったなーしかし、珍しく偵察クエストか〜確か嬢ちゃんが頼んで行ったのは...フェルト家か〜めんどくさそうな感じだな...帰ってこれなかったら殺すぜ?」
「ん?お前が人の心配をするか?」
「なんだ?悪いか?」
「いや、珍しいからな....明日は雨か」
「おい、そりゃどういうことだ?」
「どうしたもこうしたもない、あの脳筋で有名のお前が人の心配をする時点で明日は雨なんだ、」
「ちょ、俺にだって感情はあるし!」
「「「「「?!」」」」」
〜次回予告〜
「73話、日常の様な非日常8 」
明日(以下略)