44話、ダンボールですてるす
「あらぁ〜?こんな所に奴隷にされた貴族がいるわねぇ〜誰かしらぁ〜?」
今、なんか偉そうな(実際偉い)貴族に絡まれている。
「...............っ、」
『ああああああ!!うざい!うざい!うざい!!奴隷になった私を笑いに来やがって!』
『なるほど、こいつはアリスの知り合いで仲が悪かったのか、いつも見下されていた、その恨みをここで晴らしているわけか』
『何この人、感じ悪いよ!ねぇ、ご主人』
「何かしら?リーデェイ....っと、奴隷になったら元の名前じゃなくなるんだったわね、えーっとアリス?」
「っ!な、なぜその名前を?」
「ふふっ、私の能力を忘れたのかしら?」
『ん?能力だと?〈鑑定〉』
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メーデ・リスウェイ
女
LV 30 【MAX】
能力:一心同体 【MAX】
・一心同体
スキル
・風属性魔法
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『ん?、私の能力と同じ様な?一心同体を詳しく〈鑑定〉』
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能力:一心同体、
この能力は勇者の一人、岸野 赤花の能力の中にある精神読み取りの劣化番、何と無くで相手の考えていることがわかる。
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『ん、元の名前がある...まぁいっか、なるほど、これは地味に厄介かもな...』
「そこの赤い女の子?何が厄介なのかしら?」
「っ!」
『こ、これは、読むことはあったが読まれることはなかったから...不思議な感覚だ』
『ん?読むこと?どういう事かしら?』
『ぐ、』
「ご主人、行きましょう」
『相手にしているとアリスが耐えきれなくなると思う』
「ん?あ、あぁそうだね」
「ふ〜ん逃げるのかしら?」
「....わ、分かった」
『ああ〜!メーデの癖に〜!!』
「それじゃあアリス、行こ?」
私はアリスの手を引っ張って言う。
「そ、そうね、覚えてなさい!メーデ!!」
するといきなりメーデが動きアリスの頭を蹴っ飛ばしていた。
「ぐぁ、ぁ」
「私を呼び捨てなんていい度胸ね、奴隷の癖に」
『あー奴隷なんかに呼び捨てされたわ、気持ち悪い!鳥肌が立って来たわ』
「.............」
『........ふふっ、良いわ、良いわ、待ってなさい、今日の夜に殺しに行くから』
『何かしら?今日の夜に...こ....までしかわからなかったわ、でも奴隷だから心配無用でしょうけど、ふふっ』
♦︎♢♢♦︎その日の夜、宿屋にて
「ああ〜!ねぇご主人様?」
「ん?どうしたの?」
「無理だと思うけどあのゴミを殺しに行っても良いかしら?」
「ん?別に良いよ?」
「え?」
「ん?どうしたの?嫌だった?」
「い、いや、なんか許可してくれるなんて意外で...」
「アリス、それは僕の時も同じですよ?」
「ノアールが?」
「えぇ、僕だって故郷のエルフの里を壊滅させてますし...」
「え?この温厚そうなノアールが!?」
「えぇ、それにご主人の能力は...ってご主人、すみません、言っても良いですか?」
「良いよ」
「あ、はい、えーご主人の能力は心を読む脳力です」
「な、ゴミと同じ?」
「えーっと、そうなんですか?」
「いや、メーデの方が劣化番だ」
そう答えると少し嬉しそうな顔になる。
「ふふっ、そうですか、ふふふっあのゴミ、自分の能力が最強だとか前に抜かしてましたがそれよりも強いものが見つかりましたね、ふふっ」
「わーお、って言うか、さっき殺しに行くとか言ってたけどどう言う風に行くの?」
「えーっとですねぇーこれをかぶって行きます」
そしてアリスが、何やら茶色く折りたたまれた紙のようなものを持ってくる。
「そ、それは、」
ヒガンは知っていた。
その紙の名前を。
「これです!」
その名は、
「ダ、ダンボール!」
「ん?知っていましたか...」
「な、なんでかぶって行くんだ?」
『これ完全にメタ○ギアじゃ...』
「勇者様がこうすると見つからなくなるって言ってるところを見たことがあります」
『勇者かぁぁ!!』
「どうしました?やはり...」
「い、いや、なんでもないよ」
「そ、それでは、ご主人様はここで待っていてください!」
「は、はぁ、」
「ノアール!行きますよ!」
「えぇ?!僕がですか?」
「えぇ、そうです!二人で行きましょう!」
『あーこれ次回から主人公の私があまり登場しなくなるパターンだ...』
ヒガンのその予想は大体合っていた。
〜次回予告〜
「 45話、アリスとノアール 1 」
明日の12時、投稿できると思いますか?
「できるんじゃね?」