36話、戦闘!エルフの里6
「は?他の速さって何よ?」
「私はそこまで敵に教えるほどお人好しじゃ無いよ」
『〈精神暴そ....』
「待って、」
「ん?」
『なんだよ、精神暴走を使おうとしたのに...』
「僕にやらせて」
『お姉ちゃんとは、僕が決着をつけたい』
「............分かった」
『身体強化がちょっとばかし無駄に...まいっか』
「.....大罪スキル、憤怒!」
【大罪スキル】
大罪スキルとはその感情に支配され、動いた者が極稀に手に入れるスキルで、世界に14人しか持つ者がいない。
大罪スキルを使うとそのスキルが司る感情に支配されるが、ものすごい精神力がある者ならば耐えることができるかもしれない。
ボワァァァ〜!!
ノアールの四肢が怒りの炎で燃える。
その炎は赤色だ。
『不完成燃焼....気にしないでおこう』
炎が青色に変わる。
『ん、ちゃんと酸素が入った...』
「うがァァァァァァァァ!!」
ノアールが叫ぶ。
『っ!』
「なっ!」
私とディルネミアが一瞬驚く。
『なっ、初めてノアールの大罪スキルを見た時、何かに耐えている様子だったが...あれか、』
『な、今の状態は何?!』
「うわぁぁぁ!!!」
そのノアールの様子はまるで憤怒に飲まれているようだった。
ドォォォォン!
「キャ!」
「危な!」
ディルネミアとヒガンの間に火柱が上がる。
すると、ノアールの背中から小さめの火柱が上がり、まるでロケットのように高速移動して来た。
そしてそのままディルネミアに突っ込む。
『勝った』
ヒガンが思う。
『あきらめるものですかぁぁ!!!』
飛んでくるノアールを大剣で斬る。
するとノアールの大剣で斬られた所の部分が一瞬だけ炎になり大剣を回避する。
『な、やめ、』
ノアールがディルネミアの身体に触れると、ディルネミアの身体から炎が上がる。
「ぁぁぁぁぁ!!!熱い熱い熱い熱い熱いあついあついあついあついあついアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイ!!!!!」
『ノアールの奴、あの強さじゃディルネミアを一瞬で消し炭にできるのに敢えて弱火でじっくりとは...なかなかやるな』
「ぁぁぁぁぁ!!!!ぁぁぁぁ!!ぁぁぁ!ぁぁぁ、あぁ.....」
ドサ、
「はぁー、はぁー、はぁー、やったぜ、」
バタン、
「の、ノアール?!大丈夫?」
そして3〜4秒すると起き上がった。
しかし、
「............」
『僕はヒガンを殺さなければならない...』
「っ!?か、〈鑑定〉!」
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ノアール 〔洗脳〕
男
LV 19
能力:方向操作
・方向変更
・粉塵爆発
・衝撃収束
・方向加速 【NEW】
スキル
・我慢
・憤怒 【大罪スキル】
・鑑定
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『せ、洗脳?』
「ふふっ、動揺しましたか?」
「なっ、」
そこには人間の男がいた。
「おい、」
「なんでしょう?」
「洗脳とかは、私の専売特許なんだよ!」
「ほう、」
『し、しまったぁぁ!!つい言ってしまった!』
「あなたの能力も同じような感じですか...さしずめ、下位互換といった所でしょうか」
『いや、普通に上位互換だと思うよ?』
「取り敢えず、死んでもらいましょう、私の計画の邪魔になるので、来い!」
そして、そこにはまるでヒガンの子供の時のような見た目の女の子が座っていた。
「.............」
『 《ザザッ、ザザッ、ザザザザッ》』
ノイズが酷い。
「心が読めない、もう廃人と化している」
〜次回予告〜
「37話、決戦!エルフの里1」
明日の12時投稿予定