30話、エルフの里の一番近い村(人間はその事を知らない)
「おい、ノアール」
「は、はい、何でしょう?」
「あの時と同じ様に宿を取っておいて」
「あの?お金...」
「あの時のが残っているはず、それを使って」
「わ、分かりました...何をしに?」
「ん?ちょっと敵陣視察」
「あ、でも僕がいる...」
「いや、自分で確認したい」
「分かりました...」
また、ノアールに宿を取っておく事を頼み一人でエルフの里に入っていくのだった。
__________________________________________
エルフの里
エルフの里とは、よく人間に奴隷にされたりするエルフ族が奴隷にされないために森の奥に幻影結界を張って暮らしているところを指す。
(他種種族の暮らし 11P 著 エード・スチノクエ)
幻影結界
幻影結界、それは結界魔法の中でも難しい魔法である。
その効果は幻影結界の見た目を変えて周りに溶け込ませ、幻影結界を通ると方向感覚がおかしくなる精神汚染系統のデバフがつき、幻影結界のとこまで戻される。
使える種族は今の所エルフ族しか確認されていない。
(魔法大辞典・結界魔法編 9P 著 コヤ・スード)
__________________________________________
「はぁー、私に精神系統で勝負しようだなんて10ヶ月ぐらい早いわ」
幻影結界らしき物の前で言う。
「よっ!」
幻影結界の中に入る。
そして精神汚染が来るが...
「〈精神防御〉!」
精神防御とはラインハルト戦の後にできる様になった能力で、精神汚染系統の魔法、スキル、能力、を完全に防ぐことができる。
「これで余裕に進めるわね...ってまた何かあるわね」
そこにはまたもや緑色の結界があった。
そしてその結界を鑑定してみると、
__________________________________________
魔力探知結界
魔力探知結界とは、その名の通り魔力を探知する結界である。
よく魔砲と両立して使われることが多いが、魔物の襲撃を探知するためや不法侵入者を見つける時にも使われることが多い。
(魔法大辞典・結界魔法編10P 著コヤ・スード)
__________________________________________
と、判定された。
「成る程...ここが関門か...どうするべきだ?」
そこで5分ほど待ってみたが特に変化もなかった。
「うーん、あ、そう言えばノアールってここの里に住んでたんだよな...なら少しは知っているはず......戻るか」
あまり情報を得られないので帰ることにした、ヒガンなのだった。
♢♢♢♢
エルフが追いかけられている。
「はぁー、はぁー、マズイな...追いつかれる」
「ギャハハ!ほらほら!どうした!走る速さが遅くなってきてるゾォ!」
『よし、後もう少しでエルフの里の幻影結界の近く...あそこまで行けば』
「ちょこまかとウゼェ!」
ジャラジャラ〜
片方の男がいきなり鎖を取り出して投げて来る。
その鎖の先端には重りがついていてより遠くまで投げられる様になっていた。
「ぐ、能力、〈万物接触〉発動!」
そして彼女は虚無を掴み、鎖に投げる。
ガンッ!
鎖が何かにあたり起動がずれる。
だが、そこには何も無い、彼女も何も持っていない。
「い、いま、何をした!!」
「私の能力は名前の通りどんなものにでも触ることができる」
「は?だ、だからどうしたってんだ!」
「魔力を使わずに空気を投げて風を起こすこともできる」
「「な、」」
二人の男が驚く、
「そ、そんなのはただの雑魚能力じゃねぇーか!ビビらせやがって!」
「そうだそうだ!」
「でもね、そんなのはただのおまけ、この能力の真骨頂はどんな物にでも無傷で触れることができるってことさ」
彼女はポケットから出した、普通なら手で触れるだけで身体中に斑点ができて死に至る毒の実を、手のひらに置き見せる。
「く、クソガァ!」
男が距離を詰めて短剣を振り下ろし彼女の方を切ろうとする。
ポンッ、
彼女は短剣を素手で握る。
「は、馬鹿め!刃物に触ると切れるって教わらなかったのかぁ?」
しかし、彼女は血を一滴も流さない。
「は?どゆこと?」
油断したその時に掴んだ短剣を男から取り上げ、男の首に刺す。
「ぐ、ぁ、あぁ」
「ひッ!」
片方の男が怯え一歩下がる。
「う、うああああ!!【ファイア】!」
男が魔法を放つ。
しかし、
「いーよっ!と」
その放った魔法を掴む、
「な、」
そして、
「よいしょ!!」
投げる。
「う、うあああああ!!!」
ドンッ!
魔法を放った男に直撃し、無残に死ぬ。
「このぐらいですかね、」
走り出し、そして幻影結界の目の前で赤髪の人族の女と、ダークエルフに出会った。
〜次回予告〜
「 31話、戦闘!エルフの里 1」
次回もサービス、
明日投稿できるはず。