3話、拷問と牢屋と濡れ衣と
お腹すいた。
「マジでやべぇ、これはヤベェ」
本当ーにお腹すいた。
これ、酸欠の前に餓死するんじゃないのこれ?
次の日
暇なので自分のステータスをぼーっと眺めていると、
パカ!
天井の鉄の蓋にピンポン球ぐらいの穴が空き、そこから皮袋が降ってくる。
そして開けてみると、食料が入って居た。
「おぉ」
思わず驚いてしまったが今まで日本で食べて居たような食事ではなくただの残飯のようだったがお腹が減って居た赤花には関係なくただのその残飯を貪っていた。
〜次の日〜
次の日になってわかったことは、
・食事は1日1回のお昼のみ
・ちなみに食事は残飯
・この部屋では魔法がちゃんと使えない
・中に魔力?が入ってこないからだと思われる
・ちなみに能力は不明、能力を試す相手がいないからね
こんな所だ。
「はぁー本当!暇だ!」
そして今日も目を閉じる。
10日目
「はぁそろそろ、きつくなってきたかな?」
そう言いながらこの謎の疲労の原因を探る。
二週間後
「だ、めだな、めまいがしてきたな」
閉じ込められているストレスのせいかほぼ毎日のように嘔吐している。
一ヶ月後
「なぜ、だ?、僕以外の声、聞こえる、幻聴?」
幻聴がこの頃になると聞こえてきた。
嘔吐の他に下痢もひどくなってきた。
きっとあの残飯のせいだろう。
二ヶ月後
「...いい事を思いついた、自分に向かって...
《精神操作》し、て、自分はおかしくない普通だ...これで良い!」
半年後
「自分は普通自分は普通、自分は、普通なんだ」
一年後
「..............普通?」
__人間は周りが見えないほど暗い部屋に長時間閉じ込められると気が狂ってしまう。
異世界召喚されてついた能力、精神介入を持ってしてもここまでが限界だった。
そして、
ボキッ!
「...........」
自分の頭の中にそんな音が響く、その音は自分の大事な何かが壊れた音。
そしてその次の日
「あれ〜?一年たったのにまだ死んでないの?.....マジかーこれ以上は面倒いから処刑っちゃおっか♪」
俺の処刑が決まった。
「うーんどう処刑しようかなーと言うよりなんの罪を着させればいいのかな?強盗?強姦?うーん...は!そうだ王女の私を暗殺しようとした罪なんていいじゃん!」
そして、
「なに!それは本当なのか!?」
「えぇ危ない所でした、夜に目が覚めると目の前にナイフを持ったこいつが!なんとか魔法で撃退しましたが怖くて怖くて夜も眠れませんわ!」
巫山戯んな、俺はなにも__
「この国の王女を狙うとは、他国の暗殺者か?」
「えぇ...ですが怖くてその事を聞くまでもなくこんな感じなので」
「よし、拷問部屋に連れて行け!」
だから俺はなにもしてない__
「「は!分かりました」」
「ふぅこれで素直に吐いてくれれば反撃ができる」
♦︎♦︎♢♦︎
〜拷問部屋〜
気がつくと椅子に全身を縛られており、目の前にはナイフを持った男がいる。
「よし、まず聞こう、お前はどこの国の暗殺者だ?」
「俺は、暗殺者じゃない」
そう答えると相手が左手の小指を削ぎ落とす。
「っぁァァァァァァ!痛い痛い痛い痛い」」
「喋るな!」
そう言い俺の頬を殴る。
「もう一度聞くぞ、お前はどこの国からきた!」
「おれは日本から....」
「冗談にもほどがあるぞ!」
すると今度は左手の薬指を削ぎ落とす。
「ァァァァァァァァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛いィ!!!」
「だ、か、ら、余計なことを喋るな!」
今度は顔面を膝で蹴られる。
ソウダ!自分は痛みを感じてない...感じない...
「オラ!」
左腕を削ぎ落とされる、しかし
「............」
無言、
「は?し、死んだ?そんなはず....まさか!自殺?!」
♦︎♦︎♦︎♢
「はぁ自殺ですか、」
「どうします?」
「なら、見せしめのために殺しましょう!」
「え?死んでいるのにですか?」
「いや、死体でも首打ちを国民に見せて悪事への抑止力になってもらうのです!」
♢♦︎♦︎♦︎
処刑が決まった。
悪いことはしてないはず。
なぜ?
俺のせいか?
いや
俺のせいじゃない
なら誰のせいだ?
友達のせいか?
違う
なら、何だ?
人 間 の せ い だ。
次回、【 4話、処刑台 】
明日の12時にて投稿です。