28話、中継地点エユテフ 5
ドォォォォン!!
爆発でナイフの刃の部分が折れて刺さらなかったが、少し傷をつけることができた。
「お、、りゃ、、あ、、!!」
『蹴っ、、て、、お、、腹、、か、、の、、所、、を、、爆、、発、、し、、て、、や、、る!』
華麗なバックステップを決めて避ける。
『や、、は、、り、、よ、、け、、ら、、れ、、た、、か』
ラインハルトが避けられた時の回転を利用して殴って来る。
勿論軽々と避け___
____ られず顔にパンチが当たり、爆発の衝撃波で壁にぶつかる。
『なっ!なぜ?』
「おぉ...まさか決まるとは...集中力でも切らしたか?」
「なっ、」
『なぜ普通に喋れて...制限時間か!!』
「なんか知らないがっ、決着だ、」
シャキン!
ラインハルトが剣を抜く、
「ん? あ、」
『ん?なぜ剣を?...ってあいつ剣術のスキルを持ってたな...』
『この技は戦闘中に使う事は無いと思ってたんだがな...』
「随分と冷静だな...」
『この剣に〈爆弾設置〉!』
剣が赤く光る。
『まさか、剣で刺した時に爆弾を起動させて体内で爆破を?』
『剣を振る時に爆弾を起動させて急激にスピードを上げてやる!さすがにこれなら反応できまい!』
「スー、ハー...」
『なら使える、〈一部記憶消去〉!体の動かし方を忘れる!』
ラインハルトは剣を振り上げ、振り下ろす直前で一瞬だけ止まる。
「なっ、」
バタン!
まるで転ぶかの様に倒れる。
ナイフを振り上げずにノーモーションでナイフを突き出す。
止まったのは一瞬だけなのですぐに横に転がり、そのナイフを避ける。
『成る程、体の動かし方などは一瞬だけしか消去できないのか...しかし動きがものすごく悪くなっている...このぐらいなら勝てる』
「ぐ、な、何をした!」
『体が思う様に動かない!』
「言うと思ってんの?」
「まさか、」
『思ってない...しまったな...ついつい気になって言ってしまった』
『よし、そろそろもう一回精神暴走が使える』
『良かった、まだ剣の爆弾きれてなかった...一度爆弾を設置したものにもう一度設置するためには30分かかるからな...』
『なら、その攻撃を避ければ30分は来ないわけね』
「はぁぁ!!」
『0.5秒後に爆発させて加速!』
「0.5秒、.....今!」
ブンッ!
ドォォォォン!!
爆発で加速した剣が頭のすぐ上を通る。
そして避けられたせいで、早さに耐えきれずにクルクルと回る。
「マジか!」
『マジか!ヤバイ!やばすぎる!』
すぐに立ち上がり、頭を低く保ったままラインハルトに突っ込み、脇腹に刺す。
脇腹に刺した理由は、ものすごいスピードで回転しているので首を狙えないためである。
「ぎゃ、」
『痛った!』
ラインハルトがバランスを崩す。
回転も止まる。
脇腹にナイフが刺さったままで倒れる。
「ぐ、、まずい!」
『マズイマズイマズイマズイ!!!どうする?どう切り抜ける?そうだ!爆発でいきなり起き上がってそのまま体内爆破を繰り出してやる!!体内爆破は、相手に触れないといけないからな...』
『体内爆破...《奥義》のやつか...』
『まだだ、まだ油断していない...』
『こう言う時はわざと隙を作って、』
息を大きく吐く。
『いまだぁ!!』
ドォォォン!!
ラインハルトがものすごいスピードで起き上がってくる。
そして次の瞬間、
手を伸ばしてくるラインハルトをギリギリで後ろに倒れる形で避ける。
勿論、ラインハルトの《奥義》は決まらない。
《奥義》が外れ、精神力が相当持っていかれる。
ラインハルトはそのまま顔面を床に叩きつける。
「ぐぁ!!」
『イッテェ!!』
「俺の勝ち!」
と言いながらラインハルトの髪の毛を掴み、首筋にナイフを刺す。
グサ、
「う、、が、ぁ、、、」
ガクッ!
髪の毛を離して乱暴に床に置く。
「これにて依頼達成だね」
ダッダッダッ!!
「お客様!どうなさい...ま、し、、た、、、」
「〈一部記憶消去〉!ここで見たことを忘れる!〈精神操作〉!自分の部屋に戻って寝る!」
「あれ?.....自分の部屋に戻って寝よ....」
コトン、コトン、
「ふぅ〜、これにて完全に終わりました」
〜次回予告〜
「 29話、中継地点エユテフ 6 」
9月2日の12時に投稿予定、
【自分の部屋...】
宿屋のバイト「自分の部屋に戻って寝よ...」
コトン、コトン、
宿屋のバイト「あれ?私バイトだから住んでるのここじゃないんだけど、いいのかな?...まいっか」
ヒガン「ん〜なんか命令を間違えた気が...」