159話、タイムトラベラー2
少し前のお詫びとしてはなんですが、今回は(気持ち)長くしてありますので...
「ん?どうしましたご主人?」
「い、いや、何でもない...」
『む?さっきとセリフが変わってる...何か違うことをしたっけな?』
そう言うと、相手はいきなり何でも吸い込む白色の球体を出してくる。
「最初から飛ばしますよぉ!!」
『吸引モード!!5m!!』
「っ!?ど、どうします?ご主人...流石に吸い込まれている状態で跳ね返せるとは到底思えません...」
「あぁ...いや、そうだ、私の堕天使化の黒ノ神槍を直接当てればいい!」
『早速っ!〈堕天使化〉!!』
ルナから黒く大きな羽が生えて空を飛ぶ、
「っ!?な、何だ!?ただの付き添いと思ったら...物凄い能力の持ち主じゃないか!!」
『〈黒ノ神槍〉!』
バヂッ!、バチバチッ!!
紫電が大量に発生する槍がルナの右手に生み出される。
「ハァッ!!」
ルナが相手に向かって思いっきり投げる。
すると相手が左手を槍に向け伸ばし、じっとその方向を見つめる。
『グッ、〈時間回帰〉!付与、あの槍!』
カッ!と目を見開く。
すると相手に向かって飛んでいた槍がまるで時空の狭間に入り込んだかのように消える。
「「っ!?」」
『『えっ?何あの攻撃...』』
『槍の時間を槍が生まれる前に戻したのか?』
「ニヤリッ...」
『良し、あとはこれで動かせば!』
『動かせば何だ!?』
『1人...あの黒髪を、殺せる』
「っ!?ルナッ!!」
そう叫び後ろを振り返ると、ルナのすぐ後ろに白色の球体が浮かんでいるのが見える。
「えっ、な、なにぃぃ!?」
ルナの体が宙に浮く。
「このままじゃ!」
『〈方向加速〉!!付与、ルナ!!こっちへ来い!!』
しかしルナは一瞬だけこちら側に来ただけでまたすぐに吸い込まれる。
「なっ、なんで!?加速しているはず...」
「ふむ...加速ねぇ、って事はさっき私のこの虚無回帰を跳ね返したアレを考慮すると、君の能力は向きの操作...だろ?残念だったね、この吸引モードの効果範囲に入った時点で世界から無くなったと判定されて自動的に処理されるんだ、まぁ、概念だもんね仕方がないね」
そのままルナは白色の球体に吸い込まれて行く。
「っ、ルナー!!!」
「......」
『ま、不味い...せめて相手に大ダメージを与えて時を巻き戻させないと...こんな結果で終わる!!』
「ノアール...もうめんどくさい、せめて大打撃でも与えられさえすればいいんだ、あいつは能力に頼って筋力や瞬発力がそこまでない、だから...一気に近づいて叩くっ!!行くぞ!!」
「ハイッ!!」
『〈方向加速〉!!付与、自分!!』
バビューーン!!
思いっきりノアールは加速して物凄い速度で相手に近づく。
しかし、ただでやられるような相手ではない。
「フリャァ!!」
今までのスピードと比べて2倍ぐらいの速さでノアールと相手の間に割って入る。
「このぐらいっ!」
『〈方向変更〉!90°!』
ノアールは間一髪で白色の球体と吸引モードの風を避ける。
『〈方向変更〉90°!』
今度は天井を回避して相手の真上に来る。
「潰れて消えろ!」
『〈方向加速〉!!付与、天井!真下に落ちて奴を潰せ!!』
「ま、不味いな...嫌な予感がする」
『何かをするつもりなのはわかるが...一体何を?』
「逃がさないよ?」
『〈透明物質〉!相手の足に巻きつけ!!』
砂埃が天井から落ちて来る。
「これは天井を落とす気か!!」
相手がそう叫んで足を動かそうとするも何かに巻きつかれたかのように動かせない。
『し、仕方ない...時を巻きもd...』
バァァーン!!!
物凄い勢いで天井が落ちてきて相手が潰される。
「ふぅ、ふぅ...勝った?」
「そ、そうか...ははっ、.....ルナ...ルナぁ」
『本当にルナが死んだのか?ルナが?あのルナが?...意味分かんないよ......ルナぁ、るな、るな?あれ?.........................................ルナって誰だ?』
『はっ?な、何言って...っ!?』
いきなり自分の脳内に...いや、いつも心を読んでいる時の感覚にとても近い感じに聞こえて来る。
『【能力をオート発動させます】』
『【検証中...検証中...検証中...成功いたしました】』
『【では、能力、〈時間回帰〉をオート発動させます】』
『【目的時間思考中...編集点を発見、自動的にここを目的時間と断定、発動します】』
ググググググググッ!!
「待っていたよ...」
「...能力が自動発動しやがった!?」
〜次回予告〜
「160話、タイムトラベラー3 」
明
日
に
投
稿
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た
い
で
す
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