153話、フリュークバトルロイヤル20
やはり、色々用事のせいで短くなっておりますが次回は休日なので(金曜日に書いております)長く書けることでしょう。
「ふぁ!?うグググ...」
『は?何これ何これ!?身体が...締め付けられる!?』
「ふぅ、こうなったら勝ちですね、もう行きましょう」
ノアールが興味を完全に無くして立ち去ろうとしている。
「グググッ、舐めやがってぇぇ...【時は金なり】!」
カチッ、
時が止まる。
「ぐっ!ほ、解けない...抜け出せ...ない、足が引っかかって...致し方無しッ!直して貰えば良いし!」
私はナイフを懐から取り出し、左膝に突き刺し90°回転させる。
「うぐっ、だけど...引っかかってる部分は取れた...」
透明な何かから抜け出す。
「く、クソッ!...何か、何か無いか!」
私は短くなった左足を抱えながらケンケンで歩く。
すると横に掛けたお茶碗と途中で折れた細い木柱が落ちているのを見つける。
「良し!これだっ!」
左膝の皿の所にお茶碗を被せて、そこに木の棒をつける。
「...何かネバネバしたものがあれば良いんだけど...」
周りを見渡すがそれらしきものは落ちていない。
パッ、
「っ!?時が...まさか所持金が!!ちっ!もうこれで良い!!」
「はっ、抜け出されている!?嘘、ご主人のあれを抜け出すなんて!」
驚いていると、お茶碗と木材で出来た義足もどきをつけているメイドがいる。
「...あれに巻きつかれていた部位を削ぎ落としたのか...なかなかの決意だ」
「感心している場合です!?」
「ん、まぁ、あの様子じゃ避けられないでしょ」
『〈透明物質〉、針で心臓を突き刺すイメージ』
「今度こそ殺してやるっ!」
ノアールが相手に飛びかかろうとするが、私が止める。
「まて、もう流石に大丈夫だろう」
そう言って私が後ろを振り返ると、
「く、クソッ!ま......ぇ?」
バタンッ、
「ほらな、」
そう私は誰かが倒れたと音を聞いた瞬間に振り返らずに言った。
「はぇ〜、僕もやってみようかな?かっこいいし」
「私もやってみるぞ!ふっ、大丈夫だ、死んでいるからな...」
「やめて...」
『恥ずかしい...』
そう日常的な会話をしながら去って行く3人を、
「...わ、私は...これだけ頑張っても、」
『やつらの心の片隅にすら残らないのか...』
そう呟きながら見送った。
〜次回予告〜
「154話、フリュークバトルロイヤル21」
明日投稿しまーす。