142話、フリュークバトルロイヤル9
...意外と頑張ればいけるもんですね、
春休みだからかな?
「うわっと!」
『〈透明物質〉!床のイメージ!』
私は家の屋根を水平に伸ばし、その透明の床に落ちる。
「いったた...」
そう呟き透明床から普通の屋根の上に歩き始めた時に、
「...ほう、今のを...君の仲間か」
相手が呟く。
ノアールは路地裏からこちらの道をを覗くように見ている。
「...ご主人、何ヘマやらかしてるんですか」
「ごめん、コンボを決められた」
私は下の方にいるノアールに謝るそぶりを見せると、相手の方を向いた。
「ノアール!こいつは指定した場所に色々なアクションを起こす感じの能力者だ!足元に気をつけろ!後、空中に設けるらしい!」
「分かりました!」
そう叫びながら、ノアールはこちらに出てきて相手の方向を向きながら空を殴る。
『〈衝撃収束〉!〈方向加速〉付与、衝撃波!!』
バァァーン!!!
いま、ノアールは衝撃波を出しその衝撃波を加速させた。
その一点に集められものすごい速度で飛んでいる衝撃波は最早弾丸のような威力と化していた。
しかし、
シュッ...
その衝撃波は相手の半径2m以内に入ると突然消え果てたのだ。
「いやいや...保険をかけておいて正解ですね」
「い、いつのまに!」
『そんな事を考えてはいなかったはず...まさか私が見ていない時に?』
相手は勿論答えない。
「.......」
『〈透明物質〉!相手に巻きつく15本の細い触手のイメージ』
「...ん?」
相手は違和感を感じ取ったらしく、少し後ろに下がる。
しかしその程度で当たらないほど追尾能力は低くない。
シュルッ、
相手の足に巻きつき始める。
「っ!?」
『なんだ!?見えないのに触られている感覚がある!それにその感覚はどんどん俺の足に巻きつきながら上に登ってきている!!』
『良し、ちゃんと行ってくれている...』
そう思い、私は相手に背を向けて歩き始める。
「ノアール、ルナのところに行こ?」
「え?いや...えーっと、そうですね?」
ノアールは少し動揺しているようだがまぁ、あれを抜け出すことはできないだろう。
『〈座標指定〉!〈座標転移〉!』
ヒュンッ!
相手は一瞬で拘束から抜け出したのだった。
勿論、追いかけるので完全に脱出したわけではないが拘束を一時的に解く事が出来た。
「ご主人っ!!」
『〈方向加速〉!付与、相手!加速方向、後ろ!』
相手が剣を私に振り下ろして、当たる寸前にものすごい速度で後ろに飛んで行った。
「ご主人...危ないですよ」
「大丈夫、私はノアールを信じていたからね」
「...はぁ、今度からしっかりしてくださいよ〜」
『え?そうなのか...信じてくれてるのか!やったぁ!』
「ふふふっ、可愛い...」
最後に呟いた言葉はノアールには聞こえていなかったはず。
『可愛い?いまご主人が可愛いって言った?』
訂正、地味に聞こえていたようだ。
〜次回予告〜
「143話、フリュークバトルロイヤル10 」
2日以内に投稿します
(↑ちょっとだけ頑張ってみようという決意の表れ)