135話、フリュークバトルロイヤル2
なぜここまで遅れてしまったんだ...
『〈意識操作〉...右』
心の中で呟くように相手が囁く。
ダッダッダッ!!!
すると、自分たちが立っていた場所から見て左側...相手から見て右側の方向から人が7人程必至に走ってきた。
「うわぁぁぁーーー!!!」
「やめろぉ!!!」
「来るなぁぁ!!」
その人達は私達には目もくれず、私達から見て右側に逃げて行く。
「ん?」
『な、なんだ?左?あっちにもまさか仲間がいて...』
「.......っ」
『これは誘導?いや...フェイントか?どうする?こう言う時のためによく脳内でみんなを助けるシュミレーションをしてきたじゃないか!』
「ま、まずいな...」
『2人ともあっち側に意識が持ってかれてる...』
そんな心配をした時にその心配は本当になった。
ザッ!
2人は片目で1人はチラチラと見ていた相手がいきなり視界から消えたのだ。
「「「っ!?」」」
『さっきまでアイツがいたのは道の真ん中、私が目を離したのはほんの1.5秒ぐらい、流石にテレポートとかを使えなければ近くにある路地裏に隠れるのは4秒はかかる...となると、上かっ!』
ガッ!と上を向くとやはり驚異的な跳躍で5mぐらいは飛んで二階建ての民家の屋根の上にいる。
『〈意識誘導〉...相手の後ろ』
すると、後ろからチリ...と鉄が擦れる時に鳴る音が一瞬だけ聞こえる。
「「っ!!」」
ノアールは前に思いっきりジャンプして空中で横一回転をして後ろを向く。
ルナは一瞬で盾を背中から生やした。
ここでもう相手が民家の屋根の上に隠れているとは思わない。
その一瞬の隙を見て相手がナイフを高速で投げる。
『っ!〈透明物質〉!ルナとノアールを守るバリアーのイメージ!』
ガギッ!
二本のナイフが透明物質に当たって火花が少し散る。
「「後ろ!?」」
その音で2人が後ろを振り向いて屋根の上に乗っている敵に気づく。
『チッ...もっと上手くやるべきか』
そう言って私達に向かって逆の民家の屋根の上に渡って視界から消えてしまった。
その時微かに、
『〈意識誘導〉...』
と聞こえた気がした。
今は逃げられた方向の逆のところにあった路地裏の入り口に入ったすぐのところにある十字路のところで3人で固まって話合いをしている。
「ご主人...まんまとしてやられました...すみません」
「いや、別に良いよ私も騙されかけたからね...そんな事よりも奴が57...ぐらいだっけ?そのぐらいで探していると言ってたから誰かがここら辺を通るんじゃないかな?そうなると実にめんどくさi......ん?」
『なんか知らないけど...やな予感がするなぁ、左下側じゃなくて右下側に少し移ろうかな?』
すると...
ピュンッ!
「「「なっ!」」」
右に移動した3秒ほど後に先ほどまでいた場所に謎の光線が飛んできたのだ。
〜次回予告〜
「136話フリュークバトルロイヤル3 」
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