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狂気の沙汰じゃない!  作者: カリントウ
再来の街
133/165

133話、街までの道のり4

これは3日以内と言えるのだろうか?

(言える訳がない)


あの日から数日が経った。


「良し!見えてきたぞ!フリュークだ!」


そんなゴゴルフの叫び声を聞きつけて、私達3人は外が見える窓の近くに行き前方を確認する。

するとそこにはまるで崖のように連なる城壁とそこに開けられた門がデカデカと視界いっぱいに映し出された。

その光景には正直攻めるのも溜息が出るほど立派なものであり、軍事力の象徴も言える。


「「「おぉ...!!」」」


これからここの王城を攻める私達3人もこの光景には遺憾の念を抱いたのであった。


ガラガラ...


「まだ乗っていろよ?これから検問を通らなくちゃいけねぇ...今までの中で悪い事はしてないよな?ここの検問は一度悪事を犯すと赤く光る水晶玉を使っているらしいんだ...勇者様の発案出そうよ」


ゴゴルフは遠い目で空を見上げながら呟く。


「そ、そんな水晶が...」

『結構まずい状況...』


早速何とかバレずに水晶を赤く光らせないミッションが始まったのだった。




ただ今門に入る馬車の行列に私たちの馬車も並んでいる。


「むむむ...思いつかない」


そう呟いてノアールはがっくりと肩を落としてため息をつく。


「無理だろ...全員戦闘系の能力だ、相手を騙すなんて前のご主人だったら容易に出来るんだろうけど...」


ノアールがチラリと私の方を見る。


「まぁ、無い物ねだりをしても仕方がないし...今ある能力での突破のアイディアを出そう」


ガラガラ...


馬車が前に進む。


「あと12回ほど進んだら俺たちの番だ」


ゴゴルフがこちらを振り返って叫ぶように言ってくる。


「...あ、はい、分かりました」


ノアールも後ろを振り返り返事をしてまたこちら側を向く。


「おう!」


「...水晶に触って犯罪をしていなかったら光らない・・・・のかな?それとも別の色・・・に光るのかな?」


「それだったら...何も光らないはずだぜ?」


ゴゴルフが地味にこちらの話を聞いていたらしくノアールの疑問に答えてくれる。


「だぁー!」

『こんなところをどうやって突破するの?無理じゃん、やっぱりノアールの言う通り強行突破を...』


「やめて...」


「ノアール...姉上の能力を借りているのか?」


それから考えてもなくも良い案は出なかった。





「はい、良いですよ〜フリュークへようこそ!...次の馬車もどうぞ〜」


パチンッ!


鞭を振るう音が響き、馬車が前に進む。


ガラガラ...


「えーっと、まずは乗っている人たち全員がこの水晶に触れてもらいます、この水晶玉の前に一列に並んでください」


そういった青年の声を聞き馬車に乗っていた私達も全員で馬車を降りて台に乗った緑色の水晶玉の前に並ぶ、先頭からゴゴルフ、トトル、ルキキ、ミアボボ、ルナ、ノアール、私である。


まずはゴゴルフが水晶玉に触れる。


もちろん光らない。


「はい、あなたは良いですよ」


そう青年が言い次に並んでいるトトルを見る。


この後のトトル、ルキキ、ミアボボも何事もなく水晶玉に触れて終わる。


しかしこの後だ、


「では次の人、どうぞ触ってください」


ゴクリ...


ルナの唾を飲み込む音が聞こえる。


ルナもここの触らないといけない雰囲気にやられ、どんどんと水晶玉に手が近づいて行く。


30cm



25cm



『ご、ご主人!やっぱり能力・・を使って強行突破を!あの透明・・なやつで!』


『はっ!それだ!』


ここで私に電流が走るかのように良いアイディアが浮かんでくる。


イメージを固めて...



そんな事はつゆ知らず、ルナはどんどんと手を水晶玉に近づけていった。


15cm



10cm



5cm



1mm


ピトッ、


ルナが水晶玉に触れる。


「.........」


ルナの背中は汗で濡れており、呼吸も荒い。


「......はい、あなたも大丈夫ですね、次の方どうぞ〜」


『だ、大丈夫だったのか?まさかあの程度では犯罪とは認められないとかか?』


ルナに続いてノアール、私も水晶玉に触れるも全く光らずに無事フリューク国の中に入ることができた。


〜次回予告〜


「 134話、フリュークバトルロイヤル1 」

3日以内に投稿したい。

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