124話、デッドオブアライブ11
はい、復活です、復活
こちらにチープ・メルトな青年がこちらに拳を突き出した状態で飛んでくる。
「はぁ!?」
一瞬で距離を詰められて相手の拳は左肩に当たる。
「チッ!カスったか!」
そう叫びながら私を殴った左手を地面に付けて前回り受け身をし、そのままさっさと私の逆方向へ走り出す。
「グッ...うぅ...〈透明物質〉!」
能力を発動させつつ奴を追跡する蛇を思い浮かべる。
ガサガサ...
右左右左とまさに蛇の様に地面を蛇行して相手に近づいていく。
それに速度も早く、森の中を大体時速30kmぐらいで動いている。
青年の方は3秒ほど前に走り出している、そう...普通に届くのである。
シュルシュル〜!
透明な蛇が背に年を捉え、追う。
「はぁー、はぁー、なんか変なのがいる!見えない奴が!」
もちろん青年は必至に30mを走る。
青年はあと5m、蛇との距離は10m
バチバチッ!
青年が帯電をし始める。
『そ、そうだ!この電気を放出すれば追いかけて来ている変な奴を殺せるかもしれない!』
もちろん追いかけているのは物質なので生きてはいないので殺さない...
だがこの物質を能力で出した時に蛇を考えて能力を発動させている。
と、なると...
「左手から放電ッ!!」
ジジジジッ!
青年の左手から電気の帯が5本程出る。
___キュウ...
「やった!倒した!」
殺せてしまう。
まぁ...
「えっ?う、うわぁぁぁぁぁ!!」
蛇は一本だけではないのだが。
蛇が青年の足に絡みつき、登る。
足に巻きつく様にして上に上がっていく。
「わぁぁぁぁぁあ!!!!!」
そして悲鳴をあげつつのたうち回り、ついに全身を巻きつかれてしまう。
そしてそのまま...
「ぅ...あ!あぁ!ぁぁ!!!痛い痛い痛い!!」
ギューっと締め付けられる。
バキッ!ボギッなどの骨が折れた様な音が何度も響く。
「ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あああぁぁ!!ぁあああぁぁ.....ああぁ!あぁ...」
どんどん力がなくなってゆく。
そして最終的に気力が尽きて来たのか、心が壊れて来たのか、死んだのかよくわからない感じの見た目になった。
「うひゃーこれは酷いよ...さすがご主人の新能力...?」
ノアールが哀れみの気持ちをほんの少しだけ乗せた言葉を壊れた青年に投げかける。
「新ご主人の能力じゃないの?」
私は冗談半分で言い返す。
しかしノアールからの返事はなく、その代わりに
「...私は無視ですか、助けてもくれませんでしたね」
とっても不機嫌なルナの声が聞こえたのであった。
〜次回予告〜
「 125話、閑話 廻転魔ヴォルスの戦闘見聞録 」
次回はあまりストーリーには関係なくただの補足だね。
ずっと前からこの話を入れたかった。