122話、デッドオブアライブ9
いっちにっちおーくーれー!
(一日遅れ)
「い、嫌ッ!やめて!こないで!」
『れ、冷静に考えて油断させて近づかせて一気にそこを...』
『ふっふふーん、私の能力を忘れたのかな?』
スタスタと私は黙ってシスターに近づく。
やはり反撃を狙っているようでよく見たらバレバレなところに刃物らしきものを隠し持っている。
「あ、あわわわわ...」
『後もう少しで...後1mでこの護身用のナイフが届く...』
『しかし凄い演技力だな...1mか』
私は少し感心しつつ、今立っているところから30cm動く。
『ぐっ...まだ届かないところね、こういうのは急いだ方の負けなのよ!』
そう思っているらしいが正直言ってこっちには能力、透明物質がある。
だからわざわざ近づかなくてもいいことに気づくはずなのだがあまりにも動揺した状況で即興で建てた作戦?なのでいくつかミスがあったのだろう。
まぁ本人は気づいてはいないが...
私は敢えて相手が焦るようにジリジリと少しずつ近く。
『ぅ...あと少し...あと少し...あぁ!ほんの少しだけ!...あれぐらいなら手を伸ばせばいけるか?』
よし!その考えが出たのならここで止まる、
そこで止まるとなるべく表に出さないように努力していたシスターでもピクッと方が震えてしまう。
『こ、これは行くべきか?いや、行くッ!5秒後に行くっ!』
『5秒...』
久々に聞いたカウントダウンに懐かしみを感じつつ自分もカウントダウンを始めつつ能力を発動させる。
『『4...』』
能力を発動せ、ダガーを大きくしたような感じを奴の首ものに突きつけておくイメージをする。
『良し、勝ったな』
そう思い、カウントダウンをするのを止めると...
『3、2』
この時点でシスターは思った、
『あれ?これスイプトやった方がいいんじゃ?』
「なっ、いきなりっ!?」
もちろんそれには気づき、後ろに下がるが一手遅い。
それに逃げる方向も間違えた。
『1、ウォォォ!【ホーリースイプト】!』
「間に合わ...」
パァァーーッ!
いきなりシスターから聖の波動が起きて、その波動はヒガンのお腹に当たり、その衝撃で5mぐらい下がる。
「ヴッ...」
「え?いや...まさか成功するとは」
そう、少し呆気にとられて立ち上がろうとすると...
スッ...
シスターの視点がいきなり下へ移る。
『あれ?転んだのかな?』
そう思う。
それはそうだ、いきなり視界が下へ移ると誰であろうが転んだのかと勘違いするはずだ。
しなかったとしても首が飛んだ、とは考える人はいないと断言しよう。
しかし、殆どの人は起き上がろうとして気づくだろう...なぜか手が動かせない、体の感覚が無い、と。
そして少しだけ考えやっと理解する。
先ほど少しだけ走ってきた痛みは首が跳ねた時の痛みだ...自分は殺されたのだと。
「ぁ...ぇ...」
『喋れない...思うように声が出ない、というよりも息が吸いづらい...な』
そう思い、
首を刎ねられて大体5秒後に...
『意識が...な...てっ......る』
死ぬ。
それを見てヒガンは、
「私が見ていないところで勝手に自分で死ぬなんて締まりが悪いなぁ〜」
と、特大ブーメランを言い残し去っていった。
「締まりが悪いなぁ〜」
「どちらかというとお前のせいな」
〜次回予告〜
「 123話、デッドオブアライブ10 」
明後日に投稿したいな。