119話、デッドオブアライブ6
「はぁー、はぁー...勝った?」
そう呟くと、ドシンッ!と地面を叩く音が聞こえる。
「おいおい...忘れてもらっちゃぁ困るぜ?」
ん?なんだ?ここにはもう誰もいないはずじゃ...
大剣女が現れる。
「...忘れてた、なんで?」
私が考えている疑問を遠くから見た表情で判断して巨大な十字架を担いだシスターが答える。
「私の能力は〈感覚遮断〉です、その能力を使って私と大剣持ちで隠れていました。それに私の能力を使って隠れるとよっぽどのことがない限り思い出せないのです...まぁ、隠れている間だけですがね」
『...隠れている間は記憶が消える、だから相手にバラしても大丈夫なのか___ 』
「ふふふっ、では...神よ、目の前にある邪悪を打ちはらいたまえ...」
そう、祈り始めると隣にいる大剣女が疑問を投げかける。
「相変わらず律儀だねぇ〜そんなのしなくてもいいじゃねぇ〜のか?」
「いえ、これをしないとシスターは本気を出せないのです」
そう言って、表情を固めてこちらを見てくる。
「そういうもんか?」
そんな言葉にも応ずることもなく、
「そういうものです」
無表情____いや、家畜を見るような目でこちらをじっと見つめてくる。
ヒュ〜、
風が吹かないはずの空間でなぜか風が吹いた気がした。
「うりゃぁぁぁァァァ!!!!」
『脳天かち割ったるわァァァ!!!』
大剣女がものすごい脚力で3mほどまで飛び上がり、その少なくとも1tはあるぐらいの重さの大剣を思いっきり振り下ろす。
『頭ッ!〈透明物質〉!』
背中から手のような形をさせた物質を出して5mほど後ろをつかませて引っ張る!
すると地面は動かないので体の方が動き急速に後ろに下がることに成功した。
そして空振りをした大剣は、
ドォォォォォーーーーーン!!!!
と、音を立てて地面を二つに割った。
バギィ!!
ちょうど半分とは言い難いが、だいたい7:3ほどの割合で私が乗っている方の足場が大きい。
「はぁー、いつもあなたはやりすぎなんですよ...私のを真似しなさい!」
溜息を吐きながらシスターは愚痴るようにいう。
「えーでもシスターも同じ感じだr...」
「あぁ!?」
「ひっ!す、すまん」
『次の溜息の次にホーリー・ツイストを打ってやりましょう』
「はぁー、【ホーリー・ツイスト】!」
そんな溜息の間に魔法を打ってくる。
もちろん予測済みなので、すぐに透明物質で離れる。
しかし、そんなホーリー・ツイストは撃たれて来ず...シスターが持っている巨大十字架が光り始めた。
『ふふっ、これは光の魔力を取り込み使用者にオーガと力比べができるほどまで力を上げる装置よ』
そう思うシスターの顔は少し自慢げだ。
「って事は...」
「えぇ、彼女よりももっと力は強いわ」
シスターは巨大十字架を地面につけて下に押し付ける。
するとテコの原理で体が浮き上がる。
『はぁ!?どうなってんだ?』
グワッと空中に浮き上がったシスターは空中で前宙を決めて思いっきり足場を叩き...
ッドシンッ!!
大剣女の時よりも軽い音が響くと私の乗っている足場だけが下に沈み始めた。
〜次回予告〜
「120話、デッドオブアライブ7 」
明後日あたりかな?