116話、デッドオブアライブ3
意外といけるもんですね。
「は?」
ルナの首がコロコロと転がって自分の足元まで来る。
「う...うわぁぁぁぁ!!!」
ヴォルスが叫び声をあげて脱力する。
「お兄ちゃん!!」
「なんでいきなり首が飛ぶんだよ...」
ヴォルスの悲痛な呟きが相手に届いたのか、
「それは...オイラのここにいる奴隷の能力さっ!」
よく見ると新手の手には鎖が握られており、その鎖の先には生気を失った目をして黒い髪の毛と赤い目を持っている人族の少女がいた。
「オイラの能力の名前は〈魂魄操作〉...どんな能力かは想像にお任せするっすね」
『彼女の能力を〈鑑定〉』
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〈透明物質〉
その名の通り、透明な物質を体から出していろいろなものを作り出せる。
弱点はその物質が自分も見えないこと。
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「.........」
「おい、あいつらを殺せ...」
魂魄昇天さんがいつもとは違う感じに自分の奴隷に命令をする。
「........」
『 』
ヒュッ!
何かが高速で動いている様な音が響き...
「ここは俺がっ!【キューブ・バリア】!!」
私たち全員が金色の半透明の箱に包まれる。
すると、全員の半透明の箱にガギィィィンッ!!と言う音が響く。
ぜ、全員を同時に狙ってきたのか...って待てよ?
魂が無いから彼女は精神支配はできないと思っていたが...操作しているあいつを使えばいけるんじゃ無いか?
そう言うアイディアが浮かんで来る。
『〈精神支配〉!』
何も命令をせずに発動する。
視界がいきなり暗くなり、また明るくなると金色半透明の箱に包まれた自分を見ていた。
「私の後ろにいるやつを全員殺せ...」
ビクッ、と少女の体が跳ねて後ろからボドボドと何かが落ちると音が聞こえる。
が、いきなり視界がグラッと揺れて元の身体に戻る。
そのまま前を見て見てるとさっきまで居た魂魄昇天が銀髪に首を刎ねられているところだった。
「す、すまん...これ以上は俺の魔力が持たない」
そうアルトが言い、私たちを囲んで居た四角い箱が消える。
ガチャリ...
「うぅ...やっと動ける様になった」
そう松本がいい起き上がる。
前には銀髪と透明物質
後ろには松本と愉快な仲間達
左には5mはある様な大剣を持った赤髪の女がいて、
右には大きな金色の十字架を持ったシスターがいる。
前の方の銀髪の後ろから金ピカな鎧を着込んだ、成金野郎が来る。
『成金野郎が...』←ヒガン
『派手だなぁぁ...』←ノアール
『キモっ』←アリス
『アレっていくらで売れるかな?』←アルト
『あれは我の好みには合わん』←ルナ
『派手...眩しい...狙い?』←ヴェノブ
と、皆さん結構辛口な意見。
「我が国、フリュークは貴様ら魔王を今から殺す!」
「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」
周りを囲んでいる雑魚が雄叫びを上げる。
「はぁーめんどくさそう...」
ノアールが本音を漏らす。
「大丈夫、私に任せて」
そう言って私は雑魚兵士に目を向けた。
〜次回予告〜
「117話、デッドオブアライブ4」
明日に投稿したい(願望)