109話、精霊信仰
〜次の日〜
「む...」
目がさめるとベッドの上で寝ている。
起き上がり、ベッドから出る。
立ち上がってパジャマからいつもの服装になる。
いつもの服装は、
白いワンピースと言う素朴な感じである。
「おはよ〜」
「あ、あぁ...おはよ」
「おっはよ!元気に寝れた?」
「えぇ、まぁ」
少し照れながら言う。
「お、おう...なんか質問とかあるか?」
少し話ずらそうにヴォルス...お兄ちゃんが言う。
ちなみにこの呼び方は少し前に、
『メラフィナの事はお母さんと呼ぶけど、俺のことはお兄ちゃんと呼んでくれない』と嘆いているところを見かけてからこう呼ぶことにしている。
「質問かー...あっ、この村を見て回った時に教会を見たんだけど...なに教? 」
「うーんと...それは信仰対象のことかい?それとも名前のことかい?」
「...信仰対象で」
そう言うと、座っていた椅子から立ち上がってこう言った。
「精霊さ」
両手を左右に広げて言う。
「精霊? 精霊ってエルフとかが崇拝してるって言うやつか? 」
そう聞くとお母さんとお兄ちゃんがほぼ同時に頷いて、言葉を続ける。
「そう、例えば...今窓の外を吹いている風」
お母さんは窓の外の景色の風で木が揺れているところを指差す。
「風が? 」
「それは風精霊のお陰だ」
「へ〜 」
私はなるほどと思い頷く。
「例えば、今私が食べているりんご...これは食物の精霊のお陰で食べられている」
「なるほどと...私の国の宗教と似てますね...」
そう呟くとお母さんが食いついてくる。
「ん?どんなのなんだい?」
「えーっと、私の国の考え方は大切にしているものには神が宿る...と言う考え方なんですよね」
すると感心したようにお母さんは頷き、
「すごくいい考え方だね!」
と言う。
「俺も同意だ、そうすると物を大切に出来る」
お母さんの言った言葉にお兄ちゃんも同意する。
3秒ほど静寂が訪れ、
「まぁ、こんな考え方だから他の宗教の人たちからは邪教徒と呼ばれているのだかな...まぁ、暗い話は置いておこう!」
「邪教徒...」
「あー暇だなぁ〜」
農民が、耕した畑の上でボーッとしている。
ザッ、
「ん?なんの音だ?」
そちらの方向を見ると、
血だらけの人達がいて...
バタンッ、
倒れた。
「あ、あぁ!今すぐ助けを呼んでくるからなぁ!メラフィナ先生〜!!メラフィナ先生〜!!」
走りながら叫ぶ。
メラフィナの病院に着いて、
扉をあける
ガチャ!
「め、メラフィナ先生!怪我人が、ものすごい怪我をした子供達が!」
「な...分かった!すぐにそこに案内しろ!」
ダッダッダッ!
「はい!こっちです」
『怪我人の子供達の見た目は、1人は金色の髪の毛で腰までの長髪、次は紫色の髪の毛が特徴的な男の子、次は白髪のダークエルフの少年、この子が一番怪我がひどい、次は___』
「っ!まさか!!」
いきなり立ち上がって、メラフィナの後を追う。
「お、おい!どこ行くんだよ!」
お兄ちゃんが止めるが、
「っ!」
無視してお母さんを追いかける。
ダッダッダッ...
「ここです、あぁ...見てられない」
「なっ、これは酷いな...特にこのダークエルフ、左手がないぞ」
そう、察しのいい人ならもう分かるはず...
そこに居たのは
「.........」
『ノアール、アリス、アルトヌス、ルナ、ヴェノブ...誰だこれ?』
そう、かつての仲間達だった。
〜次回予告〜
「 110話、空間転移ちゃんはいつも気だるげ 」
明日に投稿するはず。