108話、閑話 もしも能力だけをもらった岸野たちがクリスマスを迎えたら
クリスマス?
なにそれおいしいの?
ん?クリスマス要素?
そんなの無いよ。
ただ単純に一度でいいから書きたかったペアの戦闘シーンを1話にまとめただけね。
僕の名前は岸野 赤花、ちょっとグロが好きなただの男子高校生だ。
「よぉ!岸野!」
こいつは僕の数少ないmy friendの紫川 朝、勿論のこと男子高校生だ。やはり最近の親のネーミングセンスがちょっと心配である。
キーンーコーンーカーンーコーンーー
「じゃあホームルームを始めるぞー」
長谷川先生がそう言った約2秒後、
教室の地面に魔法陣が現れた。
「これはもしや異世界召__」
言い終わらなかった。
3秒ほど静寂に包まれる。
「ってなにも起こらないんかーい!!」
〜もしも能力だけをもらった岸野たちがクリスマスを迎えたら〜
「さてと...みんな、クリスマスだね」
一日完璧に遅れている↑
今、俺...私、ヒガンが司会をしている。
「「「「おぉー!!」」」」
みんなが私の問いかけに答える。
「もぐもぐ、アッツ...あー小籠包ウメェ〜!」
「まぁ、今回はクリスマスということで、一旦異世界から戻って今みなとみらいの赤レンガ倉庫の前でオフ会をしているわけなんだけど...」
「おい、なんでそんな誰も来なさそうなところでやるの?」
紫川が質問してくる。
「しらね、でもオフ会と言ったらここだよね?」
「何言ってんだよ、胡麻団子の方がうまいだろ?」
みんなは気づかないふりをしている。
「...そうなの?」
「でもここって〜、何もないじゃん?」
ギャルの古賀が愚痴る。
「うん、何もないね」
「でも、近くに車も止まってないし誰もいないですよね?」
長谷川先生が言う。
「そう、ではここで!一対一の能力勝負をしてもらいます!」
『正直言ってクリスマス全く関係ないね』
「「え?」」
『『クリスマス関係なくない?』』
ここで、事前にこの企画を聞いていた人と聞いていなかった人に反応が分かれる。
「「おぉー!」」
『『クリスマス関係ないけどまぁいっか』』
「ちなみにここで勝った人はこの作品の中で、必ず生き残れて、しかもリア充になれます...それにクリスマスの夜を彼女、彼氏と一緒に過ごすことができますと、言うところで第一回戦!」
「「「「「ゴクリ...」」」」」
女子は生き残りをかけて、男子はリア充をかけて、
命がけの勝負が始まる。
「紫川 朝VS川端 利通!」
「...?」
「あ、ちなみに負けた方は多分残虐な死に方になるよ」
「...負けん」
朝は覚悟を決める
「俺もだぁ」
見るからにヤンキーぽい利通は突っ張りのような声を出す。
「ではお互いの能力説明ですね...まず、
紫川選手の能力は体から鉄線を高速射出する能力で、川端選手の能力は、拳を放ったところから光線が出る能力らしいです!」
「良ーい...はじめ!」
《紫川 朝 視点》
「良ーい...はじめ!」
の声と同時に腰から鉄線を放つ、
『〈立体起動〉!』
自分の腰から放たれたワイヤーは川端の足元に突き刺さって、某調査兵たちの如く急激に接近した。
一気に紫川と川端の距離が15mから1.5m程にまでなる。
『岸野...説明をいくつかミスってるぜぇ...それは、パンチのスピードと威力でビームの太さと速さが変わってくるんだからなぁ!』
「ドリャァァァァ!!!」
バァーン!!
ソニックバーンの音が聞こえる。
それも、拳を振った時のスピードで...
そして、拳から放たれるビームは半径1mを優に超える2m...簡単に言うとカメ○メ波だ。
それを紫川は予測していたかのようにもうすでに立体起動を横に射出していた。
紫川までの距離...
30cm、
25cm、
20cm、
17cm、
14cm、
11cm、
10cm.
9cm、
3cm...ここで、紫川は横に高速移動を始め、
2cm
1cm...ここでやっと相手のビームの範囲外に出て、
0.24mm、
ドォォォーーン!!!
「「うっ...」」
ここで殆どのギャラリーが死んだ!と思う、
だが川端は、
「この手応え...打ち損なった、クソッタレ!ギリギリで回避しやがった!」
紫川は右にビームを避ける時に、敢えて左腰から発射したワイヤーを使っていた...するとどうなるだろうか?
答えは単純、超高速な右回転が起こる。
「〈鉄線射出〉ォォ!!」
右回転しながら硬いワイヤーは鞭のようにしなって川端の首へ直撃するルートになる。
『後、これが説明し忘れたもう一つの応用技!』
ピンッ!
川端はデコピンをする。
すると弾いた人差し指から小さくて細い、緑色の光線が出る。
その細い光線が鞭のようにしなって自分を襲ってきたワイヤーの軌道を少しずらして回避する。
「なっ!」
紫川が放つワイヤーは切り離すことができない。
できるのは掃除機の電源コードのようにシュルシュルと引き込むことのみ...
紫川を軸にして鞭のようにしなっていたワイヤーはその回転力を殺すことができずにそのまま紫川に巻きつく、流石に引き込んで回収できるとはいえ絡まってしまうと回収するのに時間がかかる。
それに、先ほどまで高速右回転をしていたので当然目が回り、ふらついて倒れそうになるし体にワイヤーが巻きついて手の自由がきかない。
そして、川端は拳を振りかぶって...
「オリャァァァァァァ!!!!!」
ッバァァァーーーン!!!
先ほどよりも大きなソニックバーン、
太さは先ほどの太さを軽々と超える半径2.5m、こうなるともう横には避けられない...そう、横には。
川端は一瞬忘れていた、今ビームを撃った場所が2つの赤レンガ倉庫の間だと言うことを、そして...紫川が尋常じゃないほどの機動力を持っていることを、
『〈立体起動〉ォォォォォ!!!両肩から45°の角度で音速射出!!』
ババッ!!
小さなソニックバーンが二つ起こる。
レンガにヒビが入る。
『高速回収!!!』
シュルシュル!!
パチンコの容量で上空に舞い上がる。
「それなら!」
ドッゴォーン!
25mほど飛んだ紫川に向けてビームを撃つ。
しかし、紫川と川端までの距離は大体直線30m、殆どの確率で当たらない。
だが、
「オラッ!オラッ!オラッ!オラッ!」
右左右左と高速にビームを連射する。
これはまずいと思った紫川が下に向けて立体起動を発動して下に移動する。
コトンッ、
綺麗に着地する。
『あぁ...周りに障害物が多ければ俺の能力の真髄が発揮できるのに...だだっ広い場所は嫌いだ』
そう思いながら川端の方を見る。
その時見た川端の姿は、ものすごい力で拳を振りかぶっている姿だった。
「ま、まずッ!」
そしてまた紫川は、本日何度目かの
『〈立体起動〉ォ!!』
ワイヤーが刺さったところはしっかりと川端の方を向いていなかった。
正確に言うと右に30°もずれていた。
しかしその状態で気づかなかったのか回収を始める。
川端は、またカメ○メ波もどきを放ってくる。
もどきの割には相当強いぞ?
しかし右にずれていたので軽々と避け...
『〈鉄線射出〉!左腰から高速発射!硬さは柔らかめで!』
いつもより、しなるワイヤーが左腰から出て川端の腹に巻きつく。
「っ!?」
そのまま川端は川端から見て後ろにすごい速さで連れて行かれ、地面に擦り付けられた。
パンパカパーン!
「今回の勝負、紫川 朝の勝ち!」
〜次回予告〜
「109話、精霊信仰 」
次回も戦闘シーンをかけるといいなぁ〜
やっぱり戦闘シーンを長く書いてなかったから溜まってたんだね。
色々と