107話、記憶の復活
少し遅れた...これもクリスマスのせいだ!
読者の方々「何でもかんでもクリスマスのせいにするなよ?」
すみませんでした。
私がこの村に来てから1カ月がたったある日...
私の頭の中に変な声が響いた、
ピロンッ!
【〈精神防御〉を再試行します】
「うぅ...何?」
【再試行中...再試行中...再試行中...失敗しました】
【再試行中...再試行中...再試行中...再試行中...再試行中...再試行中...成功しました】
【記憶の復元を開始します】
「う、うわぁぁぁ!!」
とっさの激痛に両手で頭を抑えて、ベットの上で悶えていた。
深夜の寝室で悲鳴を上げた私に気づいて、ヴォルスとメラフィナが私の部屋に駆け込んでくる。
「大丈夫!?」
「大丈夫か!?」
その激痛の中、私は思い出していた。
『私の名前は...岸野 赤花、少しグロが好きなだけの平凡な男子高校生...1年4ヶ月前に異世界に召喚された。能力のせいで閉じ込められて、一年間を牢屋の中で過ごした、処刑される時に何とが脱出して自分の姿を変えて、名前をヒガン・スティクスに変えた。奴隷ノアールに出会い、育てて仲間にした。ノアールの過去の為にエルフの里に行った。次の街に行って奴隷アリスを買った、また一悶着あり鉱山街ウェルホルムに行った。そこで、貴族のアルトヌスと貧民街のルナとソレイユと奴隷のヴェノブに出会った。アルトヌスの両親を殺してくれとアルトヌス本人から頼まれて、殺した...闘技場に行き、勇者に出会い戦い負けた...その時に、必死に川の中に入った』
「ぅ、あ...」
「おい!クソ母さん!なんか変なものでも食わせたんじゃないだろうな?」
ヴォルスがメラフィナに怒鳴る。
「そんな事をするはずながない、私の子供にそんな事は絶対しない...あと、流石に傷ついたぞ?」
「うっ...」
マジモードのメラフィナの威圧にヴォルスが負ける。
ここで、頭の激痛は治る。
「はぁー、はぁー、はぁー」
四つん這いになりながら息を荒げる。
「興奮しちゃった?」
「母さん?」
今度はマジモードのヴォルスにメラフィナが負ける。
「すみませんでした...だってさーベットの上で四つん這いになって、頬を赤らめているんでしょう?」
体をクネクネさせ頬を赤らめながら言う。
「...さっきの威圧感はどこ行ったんだよ」
「...出した」
呟く。
「ん?何を?精...」
「何を言った?」
「.....てへ♡」
「思い出した...」
「オラッ!」
バシッ!
ヴォルスがメラフィナを殴る。
「ゴバァ!」
メラフィナはお腹を抑え込み床に倒れる。
「全部思い出した...」
少し静寂が訪れる。
「全部って今までの記憶を?」
ヴォルスは聞く。
「あぁ、そうだ」
ヒガンは言う。
「やはり口調も変わるんだな...だが、どこかに行ってしまうのではないのか?もう...ルミアーナでは無いのだかr...」
「おい...」
「ん?」
ルミアーナ...ヒガンの体が震える。
「ふざけんなお前!!」
「ビクッ!」
いきなり出した大声にヴォルスは完全にビビる。
「はぁ?記憶を取り戻したからもう家族じゃ無い?ふざけんな!!俺だってな?今まで家族なんていなかったんだからな!?」
『この世界でだけど』
ヒガンの少し殺意が籠もった視線に何もできずにただ突っ立っていた。
「なっ...」
「正直言って!今までずっと抱え込んでた!仲間もできたけど、ずっと抱え込んでた!!」
しかし、その殺意はだんだん薄れていき、
「うぅ...」
「寂しかったんだよ!温もりを感じたかったんだよ!!」
......完全になくなった。
「........」
ヴォルスは立ち上がる。
正直、なぜこうしたのかは自分でもわからない
そして今までないほどの速さでルミアーナに近づく。
それはまるで瞬間移動のように...
ガシッ、
ヴォルスがヒガンにハグをする。
「ぁ...」
ここでヒガンの感情のブレーキが壊れる。
「ふふっ、これで...少しは温もりを感じれたかな?」
その一言で、目から汗...涙が出てくる、溢れてくる。
「う...うわぁぁぁぁぁん!!」
その泣き声で、メラフィナは起き上がり...
「...どうしよう、娘と息子が恋愛関係に...これが禁断の恋というやつか?」
そう言った___
___ムードがぶち壊しである。
〜次回予告〜
「 108話、閑話 もしも能力だけをもらった岸野たちが、クリスマスを迎えたら 」
次回は閑話ですのでストーリーにはあまり関係ない...のか?