103話、ショッピング!(準備です)
ズザァァァ!!
と、大きな音を立てて転がって...顔面を下にして滑っていく。
『あれ多分顔がやばいことになるやつじゃないの?』
そう思いながら滑っていくディンゴーンを見つめていた。
あの勝負から一日経ったある日の事、
「良し!服を買いに行くぞ!!」
「うわぁびっくりした!」
「っ!?」
ヴォルスと私が叫ぶ。
「だって服がないと寂しいじゃない!」
「お、おう...」
「私は別に...」
そう言うと、殴りたくなるような笑顔で、
「女の子はオシャレしないとね♪」
「「うざ」」
見事にハモる。
「ひ、ひどいじゃないか...」
「「正直今のは仕方ないと思うよ」」
謎の連携を見せる。
「ゔぅ、まぁ...取り敢えず服とかを買いに他の街まで行こうか」
「え?なんで?この村にも一様服屋さんはありますよね?」
「まぁ、確かにあるけどもっと大きな街の方がいい服がいっぱいあるのよ!」
母さんが椅子から立ち上がって言う。
「きっとそれだけじゃなでしょ?あのメンドくさがりの母さんが目的が一つだけの時はあまり進んで行動しないから」
「う...読みが鋭いなぁ」
少し脱力した感じで、椅子にまた座る。
「実はうちに入院してる人がいるんだけど、 その人が『どこでも良いから少しでも大きな街に行きたい!』ってうるさくてね...」
「へー初めて知ったな...どんな人?」
ヴォルスがそう聞くと、腕を組んで少し考えた後に__
「大人びていて、クールな女性だね...実はルミアーナが流れ着いてくる少し前に同じ場所に流れてきていたんだよ?」
『もしかしたら知り合いとか?そう言うのがあるかもしれないよね?』
「見た目の特徴は?」
「うーん、青色の髪に青色の目だね」
その時に、なぜか私は既視感を感じた。
「あ、メラフィナさんですね?どうぞこちらへ」
大きな街に向かうと言われたのだが、なぜか馬車とかではなく平凡なおっさんの所に連れてこられた。
「ん?なんでここに?馬車で行くんじゃないの?」
「チッチッチッ〜、今からこの人が連れてってくれるのさ!」
メラフィナは手をパーにしたまま両手をおっさんの方へ向けて目を輝かせる。
「おう!結構速いぜ?」
腰に手を当てて少し踏ん反り返っている
「期待しよう」
「だね〜」
クールな女性とヴォルスはそう言う。
「じゃあ行くぞ〜!目的地は適当に...ウェルホルムで良いな!!〈超念能力〉!」
私、お母さん、兄、クールな女性、そしておっさんが浮かび上がる。
「行くぞ〜!」
『前に高速移動だぁ!!』
一瞬で視界が歪み、風圧がかかり、魂が置いていかれるかと思うほどの速さだった。
気がつくとともう着いていた。
〜次回予告〜
「 104話、男性は女性用下着店に親から入れと言われても入り辛いし、入らない 」
明日にの昼に投稿したいなーと思ってます。