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第2話 VRMMOとの出会い

2話目

「ケイ、ケイ!お前は正月中に発売したVR筐体とソフト買ったか!?」


 社員食堂で昼飯を食べている時、俺の顔を見つけると同時に俺の前に来て興奮気味に話しかけてくる同僚。


 俺は食べかけだった鮭を食べきり、お茶を飲み同僚に聞いてみる。


「タク、そんな慌ててどうしたんだ。とりあえずそこに立てっていると周りの邪魔だから座ってからしゃべれ」

「ああ、そうだな、すまんすまん。ついつい興奮してしまってな」


 そう言って席に座るタク。さっそく椅子に座り先ほどの続きを話しかけてくる


「いや!正月に販売したVRMMORPGだよ!?知らないのか!?」

「ん。これの事だろ。流石に大々的なニュースになったんだから知ってるって」


 そう言って俺はタクに手に持っていた新聞紙を渡す。そこには1面を使い大々的に最新の技術の塊であるVRMMORPGについて書かれていた。


 そこには五感をすべてバーチャルの世界へと誘い(いざな)、ゲームの世界に入り込んで戦闘が出来たり、モンスターを飼えたりすることが書かれていた。


 全世界で同時に販売したがすでに品薄で、次回生産分がまったく間に合っていない状態だという。そのようなゲームについて何の用があるのだろうか。


「そう!これだよ!この品薄って所なんだけどな」


 急に小声になり俺に何とか聞こえる程度の声量で伝えてくるタク。


「実は俺の親戚のおじさんがこの開発メーカーの社長でな、新筐体のテスターとして人員募集していて俺の家族全員持っているのだけどな、家族以外の屈託のない意見も取り入れたいって事と、その新筐体でゲーム内に入ってもらい、実際体験テストしてもらうって言う事なんだ。


 それで筐体が1台だけもらえたんだがケイ、お前ゲームって興味あったよな?もしVR筐体をまだ持っていないのならぜひテスター兼でやってもらいたいんだが構わないか?」


「ほう...確かに興味はあったが、販売日は夜勤で買えなかったんだ。ちゃんとしたテスターが出来るか分からないが、それでも良ければぜひお願いしたいな」


「了解!助かったぜ!なんせ高価なものだし転売される可能性もあったから信用できる相手に話をしてくれって言われてたからな。

 それじゃお前んちは会社の近くのアパートで一人暮らしだったよな?明日持っていくからよろしく頼む!」


「ああ。まかされた。」


 伝えることは伝え終わったのかタクはスマホを取り出し早速電話をしながら席を離れていく。


 俺はそれを見送りながら久々にゲームをする興奮を覚えながら食事をつづけた。


「ああ、早く明日にならないかな...」


(´◉◞౪◟◉)

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