コハルと会って
三者面談のように座る俺とシラヌイ、そして副長という男。それを見るコハル。部屋の隅でセイエイとピライはでっぷりと横になっていた。
「それで・・・・・・・・・何で日南休さんは来たんだ? それも不法侵入で」
シラヌイに両肩を固定させられながら、俺は口を開く。
・・・・・・シラヌイだって怪我してるのに、何で俺を先にやるんだ?
「セイエイからコハルが最近学校に来ないんだって聞いてさ、アパートの方に行ってみたら誰もいないわけよ。いれば連絡とるの忘れてたとかで理由がつくんだけど、いなかったからな。実家で聞いてみようと思って」
「ん? 連絡・・・・・・? 私は副長たちに・・・・・・」
全員の目が副長に向く。本人がやればいいのは確かだが、今のコハルの服装からして何かで休んでいたように見える。
「まさかね。そんなことはないよね? そうだろ副長? 」
返事がない。ああ大体予想がついた。副長言いにくそうだったので俺が変わり言おうと口を開く前に隣のシラヌイが先に声を出した。
「忘れたんだこの人」
「し、シラヌイ・・・・・・もうちょっとオブラートに・・・・・・」
副長から汗が流れる。状況からして冷や汗だろう。
「忘れるか普通? 」
「あははは。情けないことに自分、機械に無頓着でありまして」
コハルの前だからだろうか、口調に訛りがなくなる。いやあるにはあるが、目立ったようなものがないって言いたい。
「笑い事じゃないし、他の奴もいただろ。私はしてると思っていたから何も言わなかった。知っていれば自分で電話してた」
「あのー副長さんはコハルに頼まれて出来ると答えたんですよね?」
「言い訳にはなりますが、分からなかったら聞けと言われましたが、若のご容態が芳しくなかったこともあり・・・・・・」
「初日ならそれも分かりますが、残りの日は」
「もういい日南休さん。大体分かった。副長元の姿に戻っていいから適当なお茶でも持ってきてくれ」
そうコハルが言うと、青年だった副長は忍者の煙玉のような煙を出すと、その中から子供が出てきた。
「この子本体・・・・・・? 」
どういう原理だ。質量とかどうなってるんだ?風船か何かか? にしてはしっかりと重さも感じたし力も感じた。現に殺されかけたのだから、よく分かってる。
煙が消えて姿が完全に見えると、その子供の姿が見たことあるものになっていた。
「キュウ・・・・・・これ」
「ああ。俺たちが入ってきたときに鉄の小型飛行機を投げた子だ」
「はあ・・・・・・そんなこともしてたのか?副長」
「だって敵かもしれんと思ったら、そりゃ攻撃するに決まちょる」
「確認するだけの時間はあったし、結果として私の友達が怪我をして部下も怪我をしたろ」
「早とちりだったんは認める。じゃがわしだってここのこと考えてやったんや。おとんも分かってくれるやろ。お前さん。日南休じゃったな? 」
「あ、はい」
「確認もせず攻撃したのは謝る。すまん」
「いえ。誤解が解けたのなら俺は良いんです。こちらこそもう少し気を配れていたら起きなかったことですし、すいません」
青年状態の副長にも言った記憶はあったが、まあ良い。向こうも言ってるんだから謝るのは当然だ。
「ほな。わしはお茶でも持ってくるけえ、お前さんらは何がいいか? 基本は買い揃えてるけい気にせんでええ」
立ち上がり出入口の障子に手を付けて振り返って何がいいか尋ねてきたが、特に拘りもないので、シズオカ茶を全員分頼んでみた。
「ほな、了解した」
そういうとどこかに行ってしまった。
「・・・・・・迷惑かけたな日南休さん」
「だからさっきも言っただろ? 俺が不法侵入したのが悪いんだ。そっちが謝ることじゃない」
「そう言うならもうこれ以上は言わんが」
「おうさ、それでいいんだよ。そんでちと気になったんだが、副長ってなんで大きくなったり小さくなったりしてるんだ? どういう原理なんだ? 」
「それだったら後ろで寝たふりをしている男に聞いた方がいいと思うぞ。ピライ・・・・・・だったか?」
コハルが向いている方向を見ると、ピライが寝ていた。どこからみても寝てるが・・・・・・あれがふりをしてる状態なのか?
「本人は沈黙するつもりみたいだが、つまりはそういうことだってこと」
「どうゆうことだってばよ? 分かるように説明してくれ」
シラヌイがちょんちょんと膝を押す。
「どうした? シラヌイ」
「巨大人工浮島だってことだよ。あの副長って人」
「そういう実験で生み出されたと本人は言ってるが・・・・・・詳しくは本人が来てからもう一度聞いてくれ」
なるほど、それなら納得がいく。巨大人工浮島だったらなんでもある。理由とするなら十分だ。
「それなら聞かないほうがいいな」
「どうしてだ? 気になるんだろ? 」
「知り合いになったばかりの人間に聞くのは良くないと思うし、それ以前にここにいるっていうのが十分答えになってると思う。だから聞かない」
ふーんなるほどと答えると、ここ最近はどうだったのかなどのたわいもない話をセイエイを途中で起こしながら太陽が傾くぐらいまで俺たちは続けた。




