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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
日南休直史の周りは絶望ばかりだ
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本堂戦2

建物内に入ると、当然だが囲まれた。


「キュウやるか?」


「こっちはただコハルに会いに来ただけなの!その脳筋やめようぜ?」


「む・・・頭御花畑ブレインフラワーガーデンが何を言うか」


「それを言われると返す言葉がない・・・それじゃ、殺さないように無力化は出来るか?」


口に出すこともなく頷く。それもそうか。聞く必要なんてなかったな。


階段などはなくただ平坦な場所だ。戦闘をしても誰かが崖から落ちるということもないだろう。最短距離で室内に行ってしらみつぶししていく。情報がないのだからそうするしかない。


障子を開けていくがいるのは、コハルではなくここに住んでいる人たちばかりだ。なかなか見つからず追手が増えていく一方だ。


「キュウ、前方」


前を封鎖されている。他の場所と違ってここだけ警備が多い。つまりは。


「この先にコハルを知ってる人がいるかもしれない。強行突破だ!行くぞ」


シラヌイは小柄な身体を使って男たちの足元をすり抜けた。俺もあれぐらい小さけりゃリミッター外して同じことが出来たんだろうけど、無理なのは分かってる。だからこその脚部ユニットだ。


身体のリミッターは外さず、脚部ユニットのみ起動して障子を壁に走って進む。障子が壊れる前に進めば走れないことはない。もちろん負荷がものすんごく脚部ユニットにかかるが、整備すりゃ問題ない。まあ整備をするのは俺じゃなくて狂学者(マッド)なんだが。


シラヌイを追うように走っていく。障子が割れるのではなく壊れるわけなのでそれよりも速いのだから、狭いところで走れば反応出来ても行動は出来ない。


封鎖場所から一定距離離れた所で着地をしようとすると、そこで俺の身体は本堂内の池という思った場所と違う場所に落ちていた。


服に水が染み込み身体が重くなる。ついでに池にいた鯉が服に入ってしまったのか、ピチピチと跳ねて気持ち悪い。さらに鱗が刺さるわけじゃないが痛い。


口に入った水と服内の鯉を池に戻しながら可能な限り早くその場を離れる。


まあ当然だが、囲まれて後ろは壁と絶対絶命だ。シラヌイの時のような方法で抜かれないように動きが左右の人間の邪魔にならないかつ、突破出来ない形となってる。


「キュウ!」


足を止めず走り続けていたが、こちらに意識を向ければ多少なりとも足が遅くなる。


「GO!」


ただそう言うと、シラヌイもこちらを無視して先に進んでいくのが見えた。


さてとこれからどうしますかね・・・水に濡れて義足も身体もビチャビチャだしな。後先考えずに脚部ユニットの貯金は使っちまったし・・・


俺と本堂の人たちの距離が縮まっていく。壁に身体が当たりもう後ろには下がれない。


左の青年が飛びかかる。それに意識を向けたのに少し遅れるように右端の少年が飛びかかった。目では追えるが、反応は出来ない。いつも脚部ユニットに頼っての戦闘ばかりだったのが祟ったか・・・。


左の青年はなんとか回避出来たものの、そのまま右から来た少年に取り押さえられ。うつ伏せにされつつ、両腕を背中まとめられて縛られた。


身体のリミッターを外すか?もちろん出来はするが・・・痛っ!


縛りが強くなる。腕が悲鳴を上げていく。このままじゃ・・・・・・


ガクンッという音と共に肩の関節が外れた気がした。それに遅れる形で痛みが荒波のように走った。


陸に打ち上げられた魚のように身体を跳ねさせるが、俺の関節を外した少年は意を解する気もなく、俺を抑えようと更に力を込める。


慣れているのは物理だ。絞め技じゃない。我慢が出来なくなった俺はリミッターを一度外す。割合は8割だ。


飛び上がって上の少年を吹き飛ばすのと同時に、側の壁に手を突き出してその反射を利用し本堂まで飛んだ。


もうこれでリミッターは一切使えない。勿論無茶をすれば使えるが、またボロボロになってヒナに怒られる。いやだがそれも頭の中に入れておこう。


俺は囲いを無理して抜けると、シラヌイの向かった方向へと走った。


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