久しぶりの日常
あれから1ヶ月後・・・俺はすぐに仕事に戻っていた。痛みは1ヶ月で取れるようなものじゃないが、家でただシラヌイたちに仕事を押し付けると言うのも憚れた。
学校に行けば水を掛けられるのは日常茶飯事で1番ひどかったのは仕事を再開したその日だ。
水じゃなくてなんと植木鉢だ。プラスチックのやつだったらどれだけ幸せだったか・・・・・・。
結論から言うと、くっっっっっっっそ痛かったです。はい。シラヌイたちは辞めた方がと言ったが、続ける他なかった。配達先を選べたらそれは配達業務とは言えない。ただの私的で別のものだ。
2人は反政府側だったのもあってか簡単な治療をしてくれた。応急処置ではあるので巨大人工浮島に着いたら病院に行くか。
巨大人工浮島の厳戒態勢は適当な焼死体を使うことで一応の決着をし、簡単にと言うわけではないが、公式で出入国出来るようになった。
病院で検査を受けて結果は特に問題はなかった。だが、あの大袈裟な包帯はやってくれと言われて病院を後にすることになった。
「すっごい適当な包帯の巻き方だね・・・ナオフミ君」
「痛っ・・・BOWとかに殴られているのになんでこっちの方が痛いんですかねー」
シラヌイとイサリビが俺の代わりに働いて俺はマスターに文句を言いながら皿を洗う。
「ちっ、だれか無線でやってる奴いるだろ。有線にしろや」
「いろんな人がいるんだから文句言うなよ」
「これやるためだけにスペックの高いやつ買ってるんだがな」
「へいへい・・・」
包帯を巻いたままバイトを終え家に帰るための船に乗ろうと帰路につく。その途中でインと顔を合わせた。
シラヌイ2人はインとは仲が良くないし、あまり会わせない方がいいだろう。2人に好きな飲料水を買いに行かせる。
「手足の方は問題ないみたいだね」
足はまだBOWの時の怪我が治らないまま無理をしたのもあってか、狂学者の脚部ユニットを付けていないとまだ動かせない。その脚部ユニットも改修を行い、多少性能向上が見られた。
「まあな。あれ以来から行く機会がなかったけどさ、あの時のBOWどうなったんだ?」
「まだ寝てる。傷が深かったのと生まれたばかりだったのもあるかも」
「そうか・・・・・・ゼロから作ったわけじゃなくても、あの姿になってからは早かったのかな?」
「うーむ・・・分かんない。その辺はまだ調査中だね」
・・・・・・話が続かない。続ける必要があるかどうかと聞かれればないのかもしれないが、折角会えたのだから何か話さないと寂しい。
「なあ」「ねえ」
「なんだ?」「なに?」
お互いに話さなきゃと思ったのか、同時に声をかけてしまう。
あたふたしているインに先を譲ると、えっとえっと・・・・・・と言うことを考えて十数秒後やっとインが言葉を出す。
「そ、その頭大丈夫?」
「みんな聞くなあ」
「そんなに派手に巻いてれば嫌でも大丈夫かなって思うよ」
「それもそうか。もう少し怪我したところは目の上とかだったら厨二っぽかっただけどな」
「そしたらバイクに乗れないじゃないか。片目運転は危険だよ」
「仕事中は乗る機会ないし、乗ることになってもシラヌイにやって貰えばいいしな」
「友達ってそういう使い方もあるのか・・・」
ああ・・・なんか勘違いなされてるようですねこりゃ。
「助けてもらったら、今度助けてもらった人が困ったら助ける。そう言う関係だけじゃないけどな」
「ほう・・・・・・」
携帯を取り出しメモをとる。そこまで書く必要性が・・・?まあいいか。
2人が戻ってきた。自分たちの分だけじゃなく、俺とインの分まで買ってきてくれたようだ。
「流石にキュウだけ買うのは憚れるしな。どうぞ」
「あ、ありがとう・・・!」
苦手でもそういうとこはしっかりしてるんだな。
「さてと、帰るか。それじゃまた今度な」
買った飲料水を飲み干して俺たち3人はインと別れを告げて最終便に乗って日本に帰った。




