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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
日南休直史の周りは絶望ばかりだ
57/202

準備の為に

一割とは言えそれでもキツイ。俺がどれだけ弱いか分かってしまう。


「どうしたどうしたどうしたぁ!!!!!あの時テロリストを殺して腕はどうした!目の前で俺で殺した時のことは覚えていないのかぁ!」


「くっ・・・!う、うるせえ!俺だって全力でっ・・・・・・!?」


俺の拳を軽く避けながら回し蹴りを腹に入れる。身体の空気が抜ける。少し浮き上がってしまう。


「ふんっ」という掛け声と共に右腕の肘が背中に槍のように突き刺さる。


「がっ・・・・・・!」


「怯えるな。前に出ろ。下がれば弾丸が飛んでくるぞ。わざわざ敵地に乗り込むんだ。拳銃のひとつやふたつ、容易に想像出来る。そうなればこちらの終わりだ。相手が狙えないよう前に出ろ」


言われるまでもなく俺は前に出続けるが全て避けられる。当たらない。当たっているのは殆ど布石のもので意味がない。肘打ちもあるがリーチがない。普通のが当たらないんだ。当たるわけがない。


「正論じゃ人は動かない。力がなければ何も守れない。ならお前は部屋の中で引きこもりのように部屋で寝ていろ!」


「ぐっっっっぼっっ!!!!!!!!!!」


・・・・・・重さが違う。今までのはただの遊びみたいなものだった。痛いものは痛いが、それでも僅かによろけるだけ。だがこれは違う。きっとこれは憤怒が俺の身体を使っていた時にテロリストに使っていたものだろう。


吹き飛ぶこともなくそのまま床に伏せる。・・・・・・ああぁぁぁ一割でこれか・・・。


憤怒の言う通りだよな。俺に出来るわけがなかったんだ。


「もう諦めるのか・・・それぐらいで諦めるなら俺がお前(平凡)になってやる。お前はそのまま床に伏せていろ。二度と出てくるな」


・・・・・・出てくるな?ふざけるな。さっきと話が違うだろ。これは刹那のところに行っていいか否かの話だ。なんでお前が俺になるって話になってんだよ?


ズキンと痛みが走る。だが動けるのなら問題ない。負けたらヒナまで奪われる。それだったら負けていい理由はさらになくなった。されど一割だが、たかが一割でもある。守りを捨てろ。恐怖を感じるな!奇跡を見せてやろうじゃないか!


身体に熱が入る・・・・・・いける!


あの時憤怒がやっていた正拳突きを放つ。避けられないのなら俺の勝ちだ。このまま勢いで・・・!


憤怒の顔に俺の拳が入った。だが手応えをあまり感じなかった。外れたわけじゃない。じゃあ・・・・・・。


「惜しかったな。顔じゃなければ終わってた。もうこれでお前が俺に本命を入れるチャンスはなくなったと言うわけだ・・・!」


「ごっふっ!」


どうして・・・?何故?何で攻撃が当たったはずなのに決まらないんだ?


「簡単に避けれるものをわざと食らったんだ。その攻撃に合わせて身体を動かせば良いだけのこと」


そんなこと出来るのかよ・・・・・・?漫画でしか見たことないぞ?


「言っただろ?分かっているから出来たと。まあ、これに関してはお前だから出来ただけだ。他の奴だったら出来なかった」


ぐっ・・・・・・これで刹那のところへは・・・。


「・・・・・・憤怒。お前に任せる。頼むよ刹那のこと、頼みたい」


「今言っただろ?お前だから出来たと。あの一撃をもう一度出来るなら行っても構わない。出来るか?平凡」


「いいのか・・・?こんな雑魚でも?」


「一割とは言え俺に本命を入れたんだ。普通の人には十分だろうしな!行ってこい。その間はヒナは任せろ」


「ど、どうやって?」


心の中にいる憤怒がどうやってヒナを守るんだ?幽霊でもあるまいし。


狂学者(マッド)の作ってる強化外骨格を使えば問題ない。今よりも弱くはなるがピライというやつもいる、戦力的にはいけるだろ。行ってこいよ」


憤怒に背中を押される。本当に行っていいのか?たった一度しか有効打に近いものを入れてないのに。


中央部に戻ると温和と狂学者(マッド)がテレビカメラを使っての通話のような形で話をしていた。


「———そう言うことで戻ったら強化外骨格の準備お願いね。おっ、平凡君終わったみたいだね。どっちが勝ったんだい?」


「平凡だ。俺はサポートにつく」


「身体ボロボロなんだから無茶はしないようにね」


二人は本当に仲がいい。全てを同族嫌悪として嫌っている俺とは大違いだ。


『平凡さん!あとはお願いしまース』


「ああ、やってやるさ。ヒナの方頼むぜ?」


3人の頷きを見てから俺は狂学者(マッド)と身体を入れ替えて、現実世界へと戻った。







——————————————————

——————————————————


「製造のためにもう行きますネ」


狂学者(マッド)はすぐにその部屋を後にする。二人はふかふかの椅子に腰掛けると、同時にため息を吐く。


「元から行かせるつもりだったくせに、よくもまああんなことしようと思ったよ」


「普通に行かせるより自信を付けて行った方が士気も上がるだろう?それにあの一撃、たった一撃に賭けたあれは充分敵にも通用するさ」


「本当に不器用だねぇ憤怒は」


「だからこそ平凡を()は任せたと言う話だ。平凡に言ったようにサポートは任せたぞ二人とも」


別のキュウが部屋に入って来るとすぐに二人に命令した。二人は頷き部屋を後にする。残ったのは彼一人。


「さあ、犯人は誰だ。お前は確実に知っている人物だ。さあ成功するか。こちらは視聴者として見せてもらうぞ」



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